エレベーターはどうやって昇降しているのか 意外と知らない、周囲にある「すごい技術」
最近のエレベーターはだいぶ静かで、ほとんど揺れない。時速70キロを超えるスピードで昇降しながら、床に立てた10円玉が倒れないほどだという。これはコンピュータ制御のおかげで、かごにつけられた加速度センサーが揺れを感知すると、ローラーとレールとの力関係をコンピュータが調整。つねにかごの振動を抑えるよう保たれているのだ。
コンピュータ制御は、待ち時間の縮小にも一役買っている。何台もエレベーターが並んでいるのに、長く待たされたという経験がある人も多いだろうが、新しいビルではそんなことはほとんどない。「人がイライラせずに待てるのは1分以内」とも言われるが、コンピュータ制御でそれが実現されているのだ。
待ち時間を減らすという点では、エレベーターには「スカイロビー構造」も多く採用されている。このスカイロビー構造とは、高層ビルで何十台ものエレベーターを効率よく運用するために、各階止まりと直通とに分け、途中の階で乗換える方式のこと。これらはビルの構造にも影響を与えている。
「エスカレーター」の知られざる仕組み
エレベーターの話を聞いて、「では、エスカレーターは?」と思う人もいるだろう。このエスカレーターにも、人に話したくなるような“すごい技術”が隠されている。
「エスカレーター」とは、ラテン語の「Scala」(階段)と英語の「Elevator」(エレベーター)を組み合わせて作った言葉で、考案者のチャールズ・シーバーガーが1895年に命名した、その名のとおり、階段状の昇降装置である。エスカレーターの利点は搬送能力が高いこと。エレベーターに比べ、格段に効率がいい。