エレベーターはどうやって昇降しているのか 意外と知らない、周囲にある「すごい技術」

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さて、そうした自販機普及の裏ではさまざまな努力がなされている。たとえば省エネの工夫。この四半世紀で電力消費量は7割以上削減された。照明をLEDにし、センサーを備えて照度を調整。さらには、取り出し口付近のみを冷却、加温し、すぐに売れるものだけを温め、冷やしているのだ。

(イラスト:小林哲也)
(イラスト:小林哲也)

よく目にする「エコベンダー」とは

最近は「エコベンダー」と呼ばれる自販機をよく目にする。これは「ピークシフト」機能を搭載した自販機だ。電気が最も使われる夏場の午後には冷却運転を停止し、その前にしっかり飲食物を冷却しておく機能が備えられているのだ。こうすることで、発電所の負担を軽減することができる。

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面白いことに、一つの自販機で温かいものと冷たいものを同時に売る機能があるのは日本固有だという。狭いスペースを有効利用し、冷却の排熱をムダにしない“もったいない”精神を持つ日本人の特性がここに表れているのかもしれない。

なお、自販機の正面には設置場所を示すステッカーが貼られている。これは、2005年から始められたサービスで、災害発生時など、すぐ自分の居場所がわかるようになっている。また、災害時に中の飲料等を無料で提供する機能がついているものもある。自販機には、実はインフラ的存在としての一面もあるのだ。

(イラスト:小林哲也)

以上、私たちが外出時によく使っている“すごい技術”を簡単に解説したが、「身近なのにそもそもよく知らない」ものは、周囲をちょっと意識してみれば意外なほどたくさんある。私たちは今、“すごい技術”と共に生きているのだ。

涌井 良幸 サイエンスライター

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わくい よしゆき / Yoshiyuki Wakui

1950年、東京都生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)数学科を卒業後、千葉県立高等学校の教職に就く。教職退職後は著作活動に専念している。

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涌井 貞美 サイエンスライター

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わくい さだみ / Sadami Wakui

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。

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