エレベーターはどうやって昇降しているのか 意外と知らない、周囲にある「すごい技術」

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エスカレーターは、踏段(ステップ)をループ状のチェーンに連結し、モーターで駆動する仕組み。踏段と同時に、手すりも同じスピードで動かす。

街で見られるエスカレーターは傾斜角30度の直線タイプが普通だが、これより傾斜角を大きくしたものや、途中に平らな踊り場が設けられたものなどさまざまある。また、傾斜角をなくした「動く歩道」もエスカレーターと仕組みは同じだ。

(イラスト:小林哲也)

「変速エスカレーター」も登場している

多くのエスカレーターの速度は分速30メートル(時速1.8キロ)。そのため、気の短い人などはエスカレーターを駆け上ったり下りたりしてだいぶ危険だ。もちろん、もっと速く動かすことも可能なのだが、そうすると今度は乗り降りしづらくなってしまう。だが、この2つの問題を見事に解決するエスカレーターも登場している。三菱電機が実用化にこぎつけた、「変速エスカレーター」または「傾斜部高速エスカレーター」と呼ばれるものだ。

その秘密は踏段の構造にある。通常のエスカレーターでは、2つの踏段はチェーンで直線的に連結されているのだが、変速エスカレーターでは、この連結を曲がるようにした。水平時には「Y」の字のような形に、傾斜時にはカタカナの「イ」の字のような形に変形させる。こうすることで、入口と出口のところで、紙がシワになる原理で踏段のスピードが落ち、安全に乗降できるのだ。おかげで、傾斜部の移動速度を乗降時の1.5倍にすることが可能になったという。

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