事実!痩せるのに「カロリー計算」は不要だ 大事なのは食事の「量」ではなく「質」

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ガードナーらは、太りすぎの人や肥満の人が、炭水化物の少ない食事法と脂肪の少ない食事法を実践した場合を比較。さらに、炭水化物と脂肪を代謝する力と遺伝的特徴によって一部の人は食事療法の効果が高い傾向があるとする過去の研究の仮説を調べることを目指した。この仮説に基づき、個人の遺伝子型に合わせた栄養アドバイスを提供するサービスが拡大している。

研究対象となったのはサンフランシスコの湾岸地帯に暮らす成人で、「健康的な」低炭水化物の食事法と、「健康的な」低脂肪の食事法を実践する2つのグループに分けられた。どちらのグループの被験者も、食事法と栄養学の専門家らによる講義を受け、栄養豊富で加工が最小限の自然食を摂るよう学び、できるかぎり自炊をした。

結果にはばらつきがあった

ソフトドリンク、フルーツジュース、マフィン、白米、精白パンなどは厳密には脂肪は少ないが、低脂肪のグループはこれらのものを避け、玄米や大麦、スティールカットオーツ、レンズ豆、赤身の肉、低脂肪乳製品、キヌア、フルーツ、豆類などを摂取するよう指示された。

低炭水化物のグループは、オリーブオイル、サーモン、アボカド、ハードチーズ、野菜、ナッツバター、種実類、放牧されて自然の草を食べて飼育された動物の食品など、栄養価の高い食品を選ぶよう指導された。

ガードナーによれば被験者は国のガイドラインに沿った運動をするよう奨励されたが、大抵は運動量を増やさなかった。食事法と栄養学の専門家らによる講義では、主に食生活を変えるのに役立つ食事と行動の方法について論じられた。

この研究が、減量に関する過去の多くの調査と異なるのは、炭水化物や脂肪、カロリー摂取を極度に制限せず、自然食や加工されていない「本物の」食品を、空腹を感じないよう必要なだけ食べることを重視している点だ。

「被験者が従うべき数値は設定しなかった」とガードナーは言う。

体重が減ってもリバウンドする人は多く、この研究では被験者が新たな食習慣を継続できるかどうかは立証できていない。被験者は平均的にかなり体重が減ったが、両グループともに結果にはばらつきが見られた。体重が増えた人もいれば、20キロ以上減った人もいた。

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