事実!痩せるのに「カロリー計算」は不要だ 大事なのは食事の「量」ではなく「質」
ガードナーによれば、最も体重が減った人々は、研究に参加したことで「食べ物とのかかわり方が変わった」と話し、車の中やテレビの前で食べることをしなくなったり、自炊をしたり家族と夕食を囲んだりする機会が増えたという。
また、被験者の多くがカロリーを制限する必要もなければ考える必要もないことに驚き、安心したとガードナーは言う。
健康状態を示す指標も改善
カロリー計算は長年、栄養と減量のアドバイスとして広く浸透してきた。たとえば米疾病対策センター(CDC)は減量に臨む人に対し、「食べたものと飲んだもの、さらに摂取カロリーを毎日書き出す」ことと、摂取カロリーを制限して運動による消費カロリーを増やすよう勧めている。同センターは「体重管理はすべて、摂取したカロリーと体が燃焼したカロリーのバランスだ」としている。
しかし新しい研究では、1年にわたってカロリーではなく食品の質を重視した結果、両方のグループで大幅に体重が減少。平均で低炭水化物のグループは5.9キロ以上、低脂肪のグループは5.3キロ減少。また両グループで、ウエストサイズや体脂肪率、血糖値、血圧が下がるなど、健康状態を示すその他の指標も改善した。
研究チームは被験者のDNAサンプルを採取し、脂肪や炭水化物の代謝に影響する遺伝的変異体を分析したが、遺伝的特徴は食事法に対する反応に影響しなかった。
また、炭水化物を摂取した際のインスリンの分泌量が多い人は低炭水化物の食事法の効果が高いかどうかも調べたが、ガードナーによれば、そうした傾向はみられなかったという。
カロリーは関係ないというわけではないと、ガードナーは言う。結果的に両方のグループともに、研究が終わる頃には意識はしていなかったものの平均的に摂取カロリーが減った。重要なのは、空腹を満たす栄養豊富な自然食を中心に摂取することでそれが達成されたということだ。
「摂取カロリーを把握し、500キロカロリー摂取を減らすよう指導するのは間違いだ」とガードナーは言う。「野菜と自然食を増やし、添加砂糖と精製穀物を減らすという基本的な食事法を重視する必要がある」。
(執筆:Anahad O'connor記者、翻訳:中丸碧)
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