日本の会社員がやたら疲れている根本的理由 仕事中、「フロー状態」に入れていますか?

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いったいどうすれば、フロー状態に入れるのか。

先ほどのスティーブン・コトラー博士は、フローに入るための要件を、個人の場合に7要件、チームの場合に10要件それぞれ述べています。

個人がフローに入るための7要件

●心理的な要件

1 明確な目標

「今、何に取り組んでいるのか」「何のために取り組んでいるのか」を具体的に自覚する

2 リアルタイムのフィードバック

明確な目標に対し「どうしたらそれをもっとうまくできるか」をリアルタイムに把握し、結果と行動の因果関係をつねにつかんでおく

3 難易度と能力のちょうどよいバランス

簡単なことばかりやっていると、退屈してしまって、かえって集中度は高まらないものです。時に、少し目標を高めに設定して仕事をします。いつも1時間かかっている仕事を40分で終わらせる、といったことでもよいでしょう。

●環境的な要件:整えるべき周辺環境

4 大きな影響力のある課題設定

ハイリスク・ハイリターンな挑戦を設定する

5 ワクワクする環境

ルーティーンと違って日々違う刺激があると人はワクワクできますし、慣れが生じないため集中力を高く維持できます。

6 全身が没入できる環境

何かを考えるにしても、書きながら考えたり、つぶやきながら考えたり、時には歩きながら考えたりするほうが、よいアイデアが湧きやすいことはないでしょうか? ただ考えるだけでなく、アクションを加えるとより集中して取り組めます。

●創造的な要件

7 パターンに気づき、パターンを壊す

今起きていることのパターンを読みとろうとしているとき、人は集中します。ですが一度知ってしまうと、もう意識しなくてよくなるので怠惰になってしまいます。

出来事の普遍的なパターンや、それに対する問題解決のパターンを読みとり、構築しながらも、それだけにとらわれずつねに意識して別のスタイルを試そうとすることがフローを長く保つ秘訣です。

次ページチームがフローに入るための要件は?
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