日本の会社員がやたら疲れている根本的理由 仕事中、「フロー状態」に入れていますか?

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チームがフローに入るための10要件

●社会的な要件

1 明確な目標の共有

組織としての共通の目標を、全員で明確に共有する

2 活発なコミュニケーション

定期的にフィードバックをし合い、活発にコミュニケーションを行う

3 コントロール感

自分で仕事をハンドリングできる要素は必ず必要です。コントロール感が得られないと、「自分で考えない社員」が増えていってしまいます。

4 リスクの存在

リスクのないことに取り組むときに人の潜在意識は最大化されません。全員が均等にリスクを負っている緊張感が大切なのです。

5 厳しさ

馴れ合いではなく、厳しい環境を自ら創り出す

6 平等な参加

チームの全員が、プロジェクトにおいて等しい量の役割を担う

7 共通言語

集団の中での共通言語や知識ベース、暗黙の了解に基づく特定のコミュニケーションスタイルを持つ

8 エゴを超える

チーム全体が謙虚になる

9 傾聴

目の前の会話に完全に耳を傾け合う習慣を持つ

10 Yes And...

会話を必ず「確かにそうだよね、それに加えて……」ではじめる

『Google流 疲れない働き方 やる気が発動し続ける「休息」の取り方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

全部やるの?と思われる方は、個人の心理的な要素を整えるだけでも効果があります。

慶應大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科でフロー研究を行った世羅侑未氏は、こうした概念を覆しました。彼女の研究は、特に上記の要件の中でも、個人の心理的な要件を整えるメソッドを用いることで、「非嗜好課題」(つまり自分が好きではないと思っている課題や作業)においても、フロー状態をつくることが可能であるという斬新な結果を導き出したのです。

僕も講演の冒頭で必ず言いますが、大事なことは、「好奇心を持って集中をしよう」ということです。一瞬一瞬、好奇心を持って集中すると、悪循環ではなく好循環が生まれます。その場での選択肢も増えてきます。ぜひ意識して仕事に取り組んでいただけましたら幸いです。

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