(4) 詰め物の高さが高いため
銀歯やセラミックなどの詰め物を入れた後は、かみ合わせの調整をします。その際、患者さんの感覚にも頼りながら調整していきます。ただ、詰め物を入れてまだ間もないときは、ほんの少しかみ合わせが高くなってしまう場合があります。
そうなってしまうと、かんでいくうちに歯の周囲の歯根膜(歯とそれを支える骨の隙間にあるクッションの役割をする繊維)がダメージを受け、「かむと痛い」という症状が生じます。
(5) 歯根膜の炎症が落ち着いていないため
歯根の周囲が炎症を起こしてウミが溜まった場合、根の治療を行います。ウミが落ち着いて痛みがなくなったのを見計らって銀歯を入れるのが通常です。ですが、根の周囲の炎症が完全に落ち着いていないと、かむと痛みを起こすことがあります。
詰め物を入れて歯が痛くなった場合の対処法
詰め物を入れて歯が痛くなった場合、次のように対処しましょう。
1.日が経つにつれ、落ち着いてくるなら様子を見る
日が経つにつれて、痛みやしみる症状が落ち着いてくるなら、治る可能性が高いです。その場合は、様子を見ても大丈夫です。
2.詰め物を入れた歯を刺激しない
詰め物を入れた直後は、弱った神経が原因でしみることが多いです。神経が回復しやすいように、なるべく冷たいものや熱いものを食べることを避けてください。
3.かんで痛い場合は歯医者さんに早めに相談
詰め物を入れた後にかんで痛くなる場合は、かみ合わせが合っていない、あるいは歯根周囲の炎症がおさまっていないことが考えられます。それ以上痛みがひどくならないよう、早めに一度歯医者さんに診てもらい、かみ合わせの調整などの施術を受けてください。
4.症状がひどくなるようなら根の治療を受ける
かんで痛い、あるいは何もしないのにズキズキするような痛みが続く場合、神経、または歯の根の先に炎症が起きている可能性があります。そうなると神経を取る、または根の治療をやり直すなどの処置が必要です。
上記のように、詰め物をした歯の痛みは、さまざまな理由から生じるものです。もし治療した歯の痛みが止まらないなら、「しばらく放っておけば治るかな」などと自己判断はせず、一度かかりつけ歯科医に相談して聞いてみるといいでしょう。
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こばやし やすゆき / Yasuyuki Kobayashi
2004年東京歯科大学歯学部卒業、表参道の総合歯科医院に勤務。2006年市谷の歯科医院にて副院長として勤務。2008年に赤坂見附駅から徒歩1分の場所にキーデンタルクリニックを開院しました。開院以来、「確かな技術で納得の治療を」モットーに、あごや歯の場所を細かく分析をし、歯だけでなく口回りを総合的に診断。現在はムシバラボというサイトを立ち上げ、歯や口周りの情報を発信。主な資格はDHA岩田セミナー認定医、総合治療セミナー「一の会」認定医、クリアアライナー矯正認定医、日本顎咬合学会所属、日本インプラント学会所属、消防庁認定、救命技能講師修了。
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