親知らず、抜くなら知っておきたい超基本 痛みがいつまでも取れない状態を回避しよう

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思い切って抜くなら、知っておいて損はない知識です(写真:hanack / PIXTA)

大人になってから口のいちばん奥に生えてくる「親知らず」。歯ブラシが届かずに虫歯になったり、歯並びを崩してしまったりなど、口の中の環境を悪くするぐらいなら抜いてしまったほうがいいということを、1月22日配信の「親知らず、『抜くか』『抜かないか』の境界線」で解説しました。

ただ、親知らずの抜歯後に痛み止めも効かないほど痛みが出たという方も多いのではないでしょうか? 筆者は歯科医師としての知見や経験を基に、歯や口周りの情報を「ムシバラボ」というサイトで発信していますが、その中で紹介していることの1つが、抜歯後の「ドライソケット」と呼ばれる症状や原因、治療・予防法です。

抜歯後に最も不安なのは、「痛いかどうか」ではないでしょうか。多くの方は抜く時の痛みを心配しますが、麻酔をして歯を抜いている最中よりも、歯を抜いて麻酔が切れた後に痛みは出てきます。

ほとんどの場合、抜歯後の痛みは痛み止めを飲むことでかなり抑えることができ、日数が経つにつれ徐々に引いてくるものです。ところが、 強い痛みがいつまでたっても治らない場合があります。そのような場合、ドライソケットが痛みの原因になっている可能性があります。

ドライソケットとはどんなもの? いつまで続く?

ドライソケットとは、ドライ(乾いた)ソケット(窩=穴)という英語で、抜歯をした後の穴に血の塊ができずに、ポッカリ穴があいて骨がむき出しになってしまっている状態のことを言います。「抜歯窩治癒不全」とも呼ばれています。

本来は抜歯をした後の穴には血液が溜まり、それがやがて固まって血餅(けっぺい=血の塊)になった後、歯茎となって穴が塞がり、治っていきます。しかしドライソケットでは、なんらかの原因で穴に血の塊ができないために治りが遅くなり、さらに骨が露出していることで強い痛みを引き起こします。ドライソケットの多くは下の親知らずを抜いた後に見られ、抜歯後の2~4%くらいに現れるというデータがあります。ドライソケットになると耐え難い痛みが10日~2週間、ひどい場合だと1カ月も続いてしまうことがあります。

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