アラフィフ女性がポーランド移住で得た人生

日本人は暗いイメージを持つかもしれないが

たとえば、ワルシャワの歯科医で奥歯を抜歯したときは、全額自腹で支払っても6000円程度だった。友人の紹介だったので割り引きがあったが、それがなくても1万円程度で収まる金額だった(治療内容や病院によって差はある)。

熟考し「やはり移住したい」となったものの、20年前に断念した過去がある。そこで、まず2カ月間お試し滞在をすることに。幸い、“ポンチュキ・コネクション”のおかげで、ポーランド人の友人の留守宅をリーズナブルな値段で借りることができた。

最後の一歩を踏み出すことにした

この2カ月間は「行く先々、どこに行っても友達ができる」という日々だった。本来、人づきあいは得意な方ではないが、年齢、国籍、実にさまざまな人たちと仲良くなることができた。そこで「日本での日常とポーランドでの2カ月間は何が違うのだろう」と考えてみたところ、自分の在り方が違うのだと気づいた。

何せ大好きなポーランドにいて、ポーランドのすべてを「吸い込んでいる」のである。ハッピーじゃないわけがない。さらに、ポーランドのことをもっと知りたいと思っているため、精神的にオープンな状態で、他人と打ち解けやすくなっていたのだろう。

ポーランド最長の川・ヴィスワ川。沿道には夏になると屋外クラブやカフェなどがこぞってオープン。昼間から真夜中まで楽しめる(筆者撮影)

日本でイベントを開催していたときも痛感したことだが、自分1人でできることには限りがある。海外に暮らす場合も、困った時に助けてくれる友人がいるか、楽しみを共有できる友人がいるか、そういう人脈を築いていけるかが重要だ。30歳の時の自分は、それを構築することができなかった。でも今、この国でなら、なんとかやっていける。そう考えて、最後の一歩を踏み出すことにした。

それから1年。実際に暮らしてみた感想を一言でいうと「すごく楽しい。そして大変」。恋焦がれた国に暮らしているのだから、楽しくないわけはない。ポーランド語のクラスで「初恋について書け」という宿題が出たことがあったが、そんな昔のことは覚えちゃいない。

そこで「初恋に関してはプライベートな問題なのでノーコメント。ただし私は、ポーランドが好きで好きでここに来た。だから今、毎日恋人の傍らで眠っているようなものである」と書いて提出したところ、先生がいたく感動していた(ポーランド語力不足のため、正しく伝わっていない可能性はあるが)。

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