アラフィフ女性がポーランド移住で得た人生

日本人は暗いイメージを持つかもしれないが

すると、とたんに数人の友人から「ヴィギリアを1人で過ごすなんてありえない。家に来なさい」とメッセージが送られてきた。お誘いというよりは「そんなとんでもないことをしてはいかん!」というお叱りのニュアンスの方が強かった気がするが……。実はヴィギリアは1人で過ごすべきではないともされており、行き場のない人に救いの手を差し伸べないのは彼らの主義に反するらしいのだ。

マコヴィエツ(ケシの実のロールケーキ)。1年中入手できるが、クリスマス定番菓子の1つ(筆者撮影)

もちろん、移住して楽しいことばかりではない。もっとも苦戦しているのはポーランド語だ。日本にいたときから、独学で文法を勉強していたので、半年もすればそれなりに話せるようになると思っていたのだが、甘かった。まず単語を覚えられない。

ポーランド語は世界一難しい言語

たとえば、「Niepodległości」という単語。「ニエポドレグウォシチ」と読むのだが、発音が難しいうえに長すぎて覚えきれない。最初の「ニエ」と最後の「シチ」は覚えていても真ん中の部分が空白状態。これは「独立」という意味で、独立記念日は「Dzień Niepodległości」となる。独立記念日の予定を聞こうと思っても、そもそも単語が出てこないので会話にならない。

ちなみに、ポーランドを最初に訪れた時に泊まった宿の最寄り駅は「Świętokrzyska(シフェントクシュスカ)」。こんな単語がゴロゴロしているのだ。しかも単語だけでなく文法も発音もややこしい。ポーランド語は世界で最も難しい言語の1つとされているそうだが、まさにそうだと実感。五十路の脳みそには決してやさしくない言語である。

この1年は、時折日本からの仕事をしたり、ポーランド語の勉強をしたり、友人のママに料理を教わったりと、ゆるゆると過ごしてきた。最初の1年くらいは現地での生活に慣れたり、語学習得のためのモラトリアム期間として考えていたが、資金にも限りがあるし、次のフェーズへの移行を考えなければならない時期に来ている。これからが本番といえるだろう。ビザ、滞在許可関連の情報はわかりにくい部分も多いので、随時、弁護士に合法性などを確認している。

まだまだ先行き不透明感はぬぐえないし、今後も困難はあるだろう。年甲斐もなく向こう見ずなことをしているとは思うが、本当に住みたい国に出会ってしまったのだから仕方ない。人生は一度きりだし、後になって「あのとき、やればよかった」と悔やむくらいなら、えいや、と挑戦して、とまどいながらも前に進む方がいい。これから起こることが予想できる人生よりも、次に何があるかわからないほうが面白い。いくつになったって、トキメキやドキドキは原動力になるのである。

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