ハリルジャパン、遠征未勝利で何を学ぶのか 選手たちにはロシアW杯に挑む強い自覚を

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1つ強調しておきたいのは、ピッチ上で判断するのは選手自身ということ。指揮官は常日頃からタテに速い攻めを強調しているが、相手との力関係を考えて日本がボールを回す時間があってもいいはずだ。そういった判断力が低下してしまっているのがいちばん気掛かりな点だ。選手たちには「自分で考えることの大切さ」という原点に立ち返ってもらいたい。

一方の守備面では、吉田麻也(イングランド・サウサンプトン)や、酒井宏樹(フランス・マルセイユ)といった大黒柱がいない中、槙野がリーダーシップを発揮したのは数少ないプラス要素だった。その彼がウクライナ戦でFKから一矢報いるゴールを決めたのも、チームに勇気を与えた。

個の能力不足も課題点

しかしながら、コノプリャンカにズタズタにされた酒井高徳(ドイツ・ハンブルガーSV)のように個人のところで力負けする選手が少なくなかったのは直視しなければいけない点だ。ハリルホジッチ監督は「今回はケガで2~3人主力を欠いていた。彼らがいればもう少しいい戦いができると思う」と話したが、右サイドが酒井宏樹だったとしても1対1の勝負で100%勝てるとは限らない。

本大会の相手には、コロンビアのルイス・ムリエル(スペイン・セビージャ)やセネガルのサディオ・マネ(イングランド・リバプール)など爆発力のあるサイドアタッカーはいる。彼らを封じられなかった場合、いかにして組織で守るかを真剣に模索する必要がある。

ウクライナ戦の1失点目も相手DFのヤロスラフ・ラキツキー(ウクライナ・シャフタール)が攻め上がって豪快なミドルシュートを放ち、植田直通(J1・鹿島アントラーズ)の頭に当たってオウンゴールとなる形だったが、杉本がもっと早く寄せてシュートブロックに行っていたら、阻止できたかもしれない。そういう細かい部分を一つひとつ突き詰め、緻密さを高めていくしか、失点を減らす方法はない。

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