ハリルジャパン、遠征未勝利で何を学ぶのか 選手たちにはロシアW杯に挑む強い自覚を

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終盤には久保裕也(ベルギー・ヘント)やマリ戦で代表デビュー初ゴールを決めた中島翔哉(ポルトガル・ポルティモネンセ)が何度か決定機を作った。結果こそ出なかったが、「ポジティブな面がたくさん見られた」という指揮官の発言に偽りはないだろう。

とはいえ、攻撃陣の迫力不足、肝心なところで決めきれないのは相変わらず。半年ぶりに代表先発した本田がウクライナ戦でシュートゼロに終わったことが大々的に報じられたが、それは杉本健勇(J1・C大阪)、原口元気(ドイツ・デュッセルドルフ)、柴崎も同じこと。彼1人に限った問題ではなかった。

守備負担が大きすぎて攻撃できない

「杉本選手が途中でガス欠してしまいましたけど、彼の仕事は守備じゃなくて攻撃。なのに守備に力を注ぎこんでしまった。自分たちがボールを持つ時間を増やさないといけない」と槙野智章(J1・浦和レッズ)が説明したように、前線の守備負担が大きすぎて、攻めに転じるエネルギーを出せない。それが苦境の一因なのだ。そんな時こそ、ボール保持に秀でる本田を有効活用すべきではないか。

「圭佑がボールを落ち着かせてくれて助かった」と長友佑都(トルコ・ガラタサライ)も話したが、それは多くの選手が感じていること。かつてエースに君臨した男の長所をうまく使いながら攻めを活性化させることを今の日本は考えたほうがいい。

日本の左サイドを個の力で切り裂いたウクライナのイェウヘン・コノプリャンカ(ドイツ・シャルケ)のような選手がいれば楽だが、ないものねだりはできない。今回は中島が唯一、その可能性を垣間見せたが、彼も先発で出た場合は守備負担が大きくなるため未知数だ。

選外だった乾貴士(スペイン・エイバル)や、伊東純也(J1・柏レイソル)もスピードと推進力には長けているが、指揮官が使うかどうか定かではない。

もちろん、彼らには期待を寄せたいものの、個で打開できる人間が少ない現状は確か。それを踏まえると、日本は組織で崩すことにさらにフォーカスしていくべきだが、ハリルホジッチ監督が毎回のように選手を入れ替えているため、連動性やコンビも成熟度が低い。本大会直前の限られた時間でどう完成度を高めるのか。セットプレーを含めて策を講じるしかない。

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