26歳「SASUKE」制覇の男が怪物と呼ばれる理由 森本裕介を形作った憧れと努力と仲間との絆

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森本裕介は23歳で「SASUKE」完全制覇を果たした(写真:TBSテレビ提供)

3月26日の放送で第35回大会を迎える「SASUKE」(TBSテレビ系)。難攻不落の障害物が設置された4つのステージを突破して、完全制覇に挑む「名もなき男たちのオリンピック」で、有名人でなくとも参加ができる。

1997年の第1回大会から20年以上続くだけあって、これまで数多くの個性豊かな挑戦者たちが番組に彩りを添えてきた。その中でも「ミスターSASUKE」の山田勝己と並び、番組関係者が「モンスター」と呼ぶのが森本裕介だ。

森本は第31回大会で史上最年少となる23歳で完全制覇を成し遂げた。山田がSASUKEに人生を捧げているといっても過言ではないモンスターなら、森本は「番組が生み出したモンスター」だと評されている。

7歳で衝撃的な出会い

森本は7歳のときのSASUKEとの出会いを「衝撃的だった」と回想する。

「小さいころからフィールドアスレチックのある公園によく連れて行ってもらっていたんです。池の上に張られたネットを渡ったり、高い壁を乗り越えたり、言ってみればSASUKEの易しいバージョンみたいなもので遊ぶのがすごく好きでした。

朝から晩まで熱中していて、できないものがあると燃えてきて、クリアするまで何度も挑戦していた。それが僕の原点だと思います。親が『帰るよ』と言ってきても、楽しくてやめない。『また今度連れてくるから、今日は帰るで』って説得されて、渋々、帰っているような感じでしたね。

そんな子供だったので、たまたまテレビでSASUKEがやっているのを見つけた父が、『おまえの好きそうな番組をやっているぞ』と呼んでくれたんです。アスレチックが大好きな子供である僕の目に、大人が真剣にアスレチックに取り組んでいる姿が飛び込んできて、衝撃を受けました。

それは第3回大会で、最優秀成績者になった山田さんがあとわずかで完全制覇に手が届かなかった。そのシーンは今でも目に焼きついています。こんな面白い番組があるんだと思い、『自分も出たい』と、初めて夢が見つかりました」

誰よりもアスレチックが好きということを除けば、森本少年は学校が終われば友達と外で遊ぶ、普通の子供だった。ただ、野球やサッカーなど球技は苦手で、まわりの子供たちのようにプロ野球選手やプロサッカー選手に憧れを抱くことはなかった。もっと言えば、運動神経は悪かったという。

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