52歳「ミスターSASUKE」山田勝己の甚大な鍛練 初参戦から20年超、人生を懸けて挑み続ける

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左から、山本進悟、竹田敏浩、秋山和彦、長野 誠、そしていちばん右にいるのが山田 勝己だ(写真:TBSテレビ提供)

「名もなき男たちのオリンピック」

特別な技術を必要とせずに誰でも同じ土俵でナンバー1を競うことができる。そのコンセプトの下、創意工夫がなされた障害物が立ちはだかる4つのステージのクリアを目指す「SASUKE」(TBSテレビ系、最新回『SASUKE2018』が3月26日<月>よる7時から放送)が誕生したのは1997年9月27日のこと。その100人の参加者の中には、のちに「ミスターSASUKE」と称される山田勝己の姿もあった。当時31歳だった山田も一人のボンベ配送業者でしかなかった。

なにか自分が頑張れば結果が出せるものを探していた(写真:TBSテレビ提供)

「中学生のときは陸上部で、高校では野球部。その後、20歳を過ぎてからはジムに行って体を鍛えたりはしていたのですが、なにか自分が頑張れば結果が出せるものを探していたんです。そんなとき『筋肉番付』(TBS系)という番組を見ていたら、3分間で腕立て伏せの回数を争うクイックマッスルという競技で一般募集をしていた。これはチャレンジができると思いました。そこからはジムでのトレーニングも腕立て伏せに特化したメニューに変えました」

そのかいもあって大阪府の予選会を1位で勝ち上がると、全国選手権でも準優勝。だが、山田は悔しさのあまり涙を抑えることができなかった。

軽い気持ちで参加した第1回

実力だけでなく、そんな熱いハートを番組関係者に評価されたのだろう。「筋肉番付」のスペシャル企画としてスタートすることになったSASUKEの担当者から出演打診の連絡が舞い込んだ。人生を大きく変えることになる出会いだったものの、そのときはまだ、どんなものかもわからない。山田といえども端(はな)から燃えていたわけではなかった。

「第1回は普通のテレビ番組で、ちょっとバラエティっぽいものなのかなと思って軽い気持ちで参加しました。実際の雰囲気もそんなふうに感じました。2回目があるとも思っていなかった」

1stステージはクリアしたが、2ndステージで敗退。悔しさは残ったが、続きがあるとは想像もしなかった。

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