26歳「SASUKE」制覇の男が怪物と呼ばれる理由

森本裕介を形作った憧れと努力と仲間との絆

さらに第18回大会への出場が決まる。15歳で初の夢舞台。最初から興奮しっぱなしだった。

「会場に行って、オールスターズの人の姿を見るだけで、親に『誰々さんがおる!』『誰々さんが車で駐車場に入ってきた!』とワー、ワー、騒いでいました。緊張して声なんて掛けられなかったです。近づくこともできず、陰から見ている感じでした」

弾んだ声に、今もそのときの感動が色あせていないことが伝わった。初めて挑んだSASUKEも「楽しかった」以外の表現が見つからないという。

「出られたことが嬉しすぎて緊張はしなかったです。自分の好きなようにやって、気づいたらジャンピングスライダーで落ちていて、水に濡れたままインタビューを受けていました。本当に最初から最後まで楽しかったです」

実際に出場したことでSASUKEへの想いが確固たるものになった。しかし、それが森本を苦しめることになる。

「よくも悪くも本番志向になりました。ただ好きでやっていたのから、本番で成果を出したいという思いがすごく強くなって、トレーニングもかなりやっていました」

自分への怒りばかりだった高校時代

高校に入っても部活はやらずに、ひたすらSASUKEの制覇を目指した。だが、結果が伴わない。第19回大会以降は、骨折で欠場した第20回大会を除き、3回連続で1stステージ敗退。自分を責めた。

「練習でできていることが本番でできない。大会が近い時期にケガをしてしまう。本当に全然うまくいかなくて。自分はいったい何をやっているんだろうって。高校生のときは自分への怒りばかりでしたね」

思うようにいかない自分自身をより一層、追い込んだ。平日は3時間、休日は6時間ほど練習に費やした。

「外での走り込みや公園でのトレーニング、セットでの練習。今と違って、あのころはかなり量を重視していて、やればやるほど強くなるはずだと徹底的に体を鍛えるという考え方だった。でも、今、考えると自分に厳しすぎましたね。あそこまでやると精神的にかなりしんどくなるので。SASUKEの舞台で活躍したいという強烈な憧れを支えにやっていましたが、結局、高校のときは花開かず、でした」

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