イオンリートはどれだけ魅力的なのか? 小売り大手として初の自社REITを上場へ
だが、自社REITが組成されれば、以降の物件売却は原則としてイオンリートが受け皿になり、機動的な物件売却が可能になる。イオンモールの千葉清一専務は、「安定稼働に入り安定的なキャッシュフローを生んでいる物件については、できるだけ投資回収を進め、それを新規投資に向け、全体の投資リターンを上げていく」と、狙いを語る。
投資対象としての評価は?
とはいえ、受け皿として機能し続けるには、REITを買い支えてくれる投資家の存在が欠かせない。イオンリートは、はたして投資家にとって魅力的なのか。
今回譲渡された物件の収益は明らかになっていないが、過去の有価証券報告書を手掛かりにすれば、およそのイメージはつかめる。09年2月期の有報によると、今回イオンモールが譲渡した6物件のうち、4物件が年間賃貸収益で30億円を超えていた。全体で約50物件のうち、年間賃貸収益が40億円を超えていたのは7物件だったことを考えれば、今回リストアップされた物件の3分の2が一定レベル以上の収益物件だといえそうだ。
REIT市場に詳しいアイビー総研の関大介代表は、「レイクタウンも含まれていて、ポートフォリオとしては悪くない」と評価する。別のアナリストも「周辺商圏の中で優位性がある物件が多い。安定した分配金(配当)が見込め、投資対象としては悪くない」と分析する。