イオンリートはどれだけ魅力的なのか? 小売り大手として初の自社REITを上場へ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

イオンに一極依存

今後の成長性については、評価が分かれる。アイビー総研の関代表は「イオンからの物件売却がこれで終わるわけはなく、さらなる規模拡大にも問題はない」と分析する。ただ、それはイオンへの一極依存と裏表の関係でもある。商業施設の核テナントはGMS(総合スーパー)ある場合がほとんどで、REITの経営自体がGMSに左右されやすい。

ところが、チェーンストア協会の統計によれば、スーパーマーケットの既存店売上高は1997年から16年連続で前年割れとなり、今年も1~6月で前年同期比1.5%減となっている。イオンの中核子会社でGMSを展開するイオンリテールも、前13年2月期は既存店が同1.4%の減収。13年3~8月こそ同1.0%増となったが、今後の消費増税を考えると販売動向は予断を許さぬ状況が続きそうだ。物件の供給元もイオングループに集中するため、成長性は同グループの動向に大きく影響される。

「アジアシフト」「大都市シフト」を成長戦略に掲げるイオンは、調達した資金をM&Aを含めた国内外での出店費用に充当する考えだ。イオンリート上場で同社の拡大路線は間違いなく加速しそうだが、上述のような課題をどう解消していくのか。イオンの本領が問われる局面だ。

(撮影:尾形 文繁)

石川 正樹 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いしかわ まさき / Masaki Ishikawa

『会社四季報』元編集長。2023年より週刊東洋経済編集部。

この著者の記事一覧はこちら
猪澤 顕明 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いざわ たかあき / Takaaki Izawa

1979年生まれ。慶應義塾大学卒業後、民放テレビ局の記者を経て、2006年に東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、ニュース編集部などに在籍。2017年に国内のFinTechベンチャーへ移り、経済系Webメディアの編集長として月間PVを就任1年で当初の7倍超に伸ばす。2020年に東洋経済へ復帰、「会社四季報オンライン」編集長に就任。2024年から「東洋経済オンライン」の有料会員ページを担当。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事