「頭の回転が速い人」になるための3つの方法 大事なのは小手先ではなく「思考プロセス」
2つ目のパラメータとして、「論理性」を設定することにする。ロジックに矛盾がなく、プレゼンを聞く側がより納得感を受ける資料作りを目指す。
さらに3つ目のパラメータとして「意外性」を入れてみよう。時間に制限をかけながら、かつ論理性の高いものにしなければならないうえに、「意外性」まで演出しなければならない。
プレゼンにかぎらず、あらゆる仕事は精度を高めようと思えば、いくらでもパラメータを増やすことができる。
このようにパラメータを増やしていくことで、頭に負荷をかけることができ、頭の回転を速くすることができる。ここではプレゼンの資料を例に説明したが、頭に求めるパラメータを増やすことで、そのほかの分野の能力も向上する。それが、知識や技術の運用能力、すなわち「素アタマ」の性能が上がるということなのだ。
いきなり3つ、4つとパラメータを設定しても、頭がパニックになるだけだ。はじめは1つからでもいい。何事も一足飛びにはうまくならない。一つひとつ、プロセスを楽しみながら取り組めばいい。
方法2:ツールに頼らずにアイデアを出す
アイデアマンはよく頭の回転が速いと言われる。誰も考えつかないようなアイデアをパパッといくつも思いつくのだから、確かにアイデアマンは、ビジネスで付加価値が高い。それではアイデアマンは、世の中にあふれているアイデア発想ツールに頼っているのだろうか?
優れたアイデアマンが、マンダラチャートやKJ法などの、アイデア発想ツールを使っているとは到底思えない。AKB48をはじめ、数々のヒット作を生み出している秋元康氏が、机のうえでツールを使っているだろうか。また、良いアイデアがアイデア発想ツールによって生まれたという話も聞いたことがない。
ここで勘違いしてほしくないのは、アイデアを生み出すためのツールがすべて意味がないと言っているのではないこと。アイデアを生み出すのに、ツールに頼る問題点は2つある。
第一に、「このツールさえあれば良いアイデアが生み出せる!」と思っているその態度や姿勢が問題だ。ツールというのは、使えば使うほど、実はアイデアから外れていく。なぜなら、アイデアとは思いつくものであって、ロジカルに考えれば生まれてくるというものではないからだ。
良いアイデアが生み出せる絶対的なツールなど存在しないし、そんなツールがあるだろうと考える態度や姿勢が、アイデアが出てくるのを阻害してしまう。
第二に、そもそも「ツールは、アイデアを生み出すもの」という考えが間違っている。ツールでアイデアが出るなら、誰でも同じ良いアイデアが出せるはずだ。
ツールはアイデアを出すためにあるのではなく、頭の中を耕すためにある。つまり、既成概念で凝り固まった頭の中をいったんぐちゃぐちゃにし、その後にアイデアが生まれやすい素地を作っているのだ。では、ツールに頼らないでアイデアを出すためには、何をすればいいのだろうか。