「頭の回転が速い人」になるための3つの方法 大事なのは小手先ではなく「思考プロセス」
①インプットを欠かさない
ゼロに何を掛けてもゼロだ。アイデアも同じで、インプットもろくにないのにアイデアが生まれるはずはない。アイデアを生み出すための材料(知識)は絶対に必要だ。アイデアを思いつかないと言っている人の多くは、単にインプットが不足しているだけなのだ。
②いつもと違うことをする
同じ知識を、いつも同じ角度で見ていても新たな発想は生まれない。アイデアを生み出すためには、違うものを、違う角度から見る必要がある。
本屋ではいつもは行かないコーナーをのぞいてみる。たとえば、いつもビジネス書売り場ばかり見ているのであれば、たまに建築や物理学など、自分になじみのない分野の棚を眺めると、新たな発想が湧きやすい。
また、わざと通勤経路を変えてみたり、いつも乗っている車両を変えたりするだけでも、新たな発見があり、アイデアが出やすくなる。
③詰めて詰めて、緩める
「ひらめき三上(さん じょう)」という言葉をご存じだろうか? これは中国の言葉で、ひらめきが生まれる場所は「馬上(移動中の馬の上)・枕上(ちん じょう)(寝ている時)・厠上(し じょう)(厠の中)」という意味だ。「馬上」は現代でいえば、電車やタクシーの中だろう。
つまりひらめきとは、机の上でウンウン考えて生まれるものではなく、気が緩んでいる状態で生まれるということだ。
ただ気を緩めるだけでは意味がない。考えて考えて、思考を詰めて詰めて……。それを緩めた瞬間に思いつくのがアイデアなのだ。
方法3:経験をメタ化する
「一道は万芸に通ず」。これは宮本武蔵の言葉だ。
彼は生涯一度も負けることなく、まさに剣豪というにふさわしい人物だったが、その名声は剣だけのものではない。宮本武蔵は書画にも通じ、また文才にも秀でた人物だった。彼の残した書画は国の重要文化財に指定され、いまも残されている。また彼の著した『五輪書』は、いまも世界中で読まれる名著となっている。
また世阿弥も同じように「一芸は万芸に通ず」という言葉を残している。
これらの言葉の意味は、「1つの道を極めていけば、他の道を理解する力がついてくるものだ」ということだ。確かにある道を極めた人は、多芸の人が多くいる。白隠禅師など、禅を極めた人は書画に通じ、すばらしい作品を残している。