カーリング娘の会話術がこんなにも深い理由 カワイイ「そだねー」だけじゃない信頼と結果

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賢明なビジネスパーソンの皆さんは、「そんなことわかっている」と思うかもしれませんが、実際は「はい」「ええ」「うん」「なるほど」とうなずくだけで、同意・賛同という観点まで到達していないケースがほとんど。「そだねー」が増えれば増えるほど笑顔が増え、迷いなく集中していたLS北見を見ていれば、「いかに同意・賛同のフレーズが大切か」がわかると思います。

チームワークを保つうえでの約束事

“チームワークの育み方”という点でも、彼女たちの振る舞いを参考にしたいところがありました。

たとえば、知那美さんは自分のショットが成功したときほど、ブラシではいていた鈴木さんと夕梨花さんに「ナイススイープ!」、指示を出していた藤澤さんに「ナイスコール!」と大きな声で伝えていました。

よほどカーリングに詳しい人でないかぎり一般的には、「ストーンを投げる人が主役」「ブラシではくスイーパーは脇役」というイメージがあります。しかし、実際のところスイーパーは、「良いショットをさらに良いものにする」「悪いショットを最小限にとどめる」重要な立場。その点LS北見のメンバーは、互いの立場を尊重し、感謝の言葉をはっきりと伝えられる大人のチームであり、だからチームワークで相手より優位に立てるのでしょう。

これをビジネスシーンに置き換えると、「成績が上がった」「プレゼンが成功した」などの結果が出たとき。そんなときほど、同僚に「フォローありがとう」、先輩に「〇〇さんのおかげです」と感謝の言葉をはっきりと伝えたいところです。

また、失敗してしまったときこそチームワークが試されるものですが、それこそがLS北見の強み。たとえば、曲がり幅(コース)の予測がズレて、よけるはずだったストーンに当ててしまったとき、彼女たちは「OK!」「ウエート(投げたストーンの速さ、強さ)はいいよ!」と良かったところをポジティブにとらえて、情報を共有します。さらに、そのうえで「かなり(ストーンが)曲がるようになってるね」と反省点の情報共有も忘れません。

ショット、スイープ、コールなどの失敗ですら、そこからポジティブさを見いだし、そのうえで反省点を確認し、情報として共有することで、次のプレーにつなげているのです。失敗に対するスタンスとして、ビジネスシーンにも、そっくりそのまま当てはまるのではないでしょうか。

試合を見ていて気づいた人も多いと思いますが、LS北見のメンバーは、プレーが成功しても失敗しても、同じようにハイタッチをしています。ここで注目すべきは、「私たちわかり合っているよね」と心の中で済ませるのではなく、ハイタッチという肌を通したコミュニケーションを取っていること。ポジティブさを保つためなら会話だけで十分ですが、チームワークを保つうえで約束事にしているのです。

ハイタッチは、「成功したら一緒に喜び、失敗しても一緒に切り替えよう」というチームワークの象徴。これを各エンドの終了時に必ず行うことで、チームワークを再確認し合い、次のプレーに向かえるのです。

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