ドナルド・トランプ大統領が本気でこの規制を変えにかかるなら、状況は大きく変わり、再びバブルの世界、ということも考えられます。しかし、今のところそれはないわけで、極めて健全な実体経済の発展がアメリカ経済を支えているといってもいいかもしれません。
住宅着工件数なんて、2008年のバブルのピークに比べればまだ半分くらいにしかなっておらず、せいぜい年間100万戸ペースなわけです。それでこの株価、ですよ。これが当時と同じ200万戸になったらどうなると思います? そして実際にその可能性すらあるのがアメリカのすごいところで、若年労働人口がすでに増加に転じていて、2050年まで増加し続ける……という現実からすると、ある意味世界中で成長を確実に約束されている市場は中国でもなんでもなくアメリカだ、ということをいま一度認識して頂きたいと思います。
日本にはいまだに「成長するのは、やっぱり中国」、とか言っている企業経営者もたくさんいて、「ご苦労さんなことですね」、というしかありません。アメリカに行けば人種の偏見がなくならないのは仕方がないとしても、少なくとも突然法律を変えられたり、何か理不尽なことが起きることはそれほどありません。しかし、中国で商売をやった経験からすると、もう理不尽の連続であります。共産党が何か言った瞬間にすべてが変わります。元々共産党……つまり土地の私有財産を認めていない……とはっきり宣言しているわけですからね。それを知ったか知らずか、あんなところに不動産の権利を持つなんてのは、正気の沙汰ではありません。
仮想通貨に投資する奴は、正気の沙汰じゃない
「正気の沙汰ではない」という意味では、ビットコインに代表される仮想通貨も同様です。
最近、多くの取材を受けるんですが、こんなもん、そもそもどういう価値があると考えて投資をしているんでしょうか。
仮想通貨は、資産か国家権力が裏付けとなるなら、まだわかりますが、これまで出てきているものはただの発行体、それも得体の知れないような発行体(どれだけ資産があるなんて誰も把握すらしていない)の信用力しかないのだから、その「価値」は共同幻想以外の何物でもあり得ないのです。
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