皆さん、年末の風物詩はもうご覧になっただろうか? ほら、あれだよ、『スターウォーズ』(SW)のエピソード8『最後のジェダイ』のことだ。2年前の2015年に封切られた前作のエピソード7『フォースの覚醒』よりも格段に良い。ファンの方は映画館に急がれたし。そうでない方も、年末年始のお休みにお勧めしますぞ。
スターウォーズ最新作から浮かび上がるアメリカとは?
前回『フォースの覚醒』は、続編を待ち焦がれたSWファンの心をくすぐるような作品で、その代わり意外性は乏しかった。新しい物語を楽しむというよりは、ハン・ソロやレイアと再会することが目的で、物語はほとんど予想どおりに展開した。ところが今回は何度も観客の予想は裏切られる。「おっ、そう来たか」「えっ? それでいいの?」などと、映画館の中で何度も身を乗り出した。
ファンの中には、「ちょっと違う~!」という反応もあるようだが、これまでのシリーズに新解釈を持ち込んだライアン・ジョンソン監督の勇気は買いたい。ちなみにこの秋に封切られた『ブレードランナー2049』にはそれが足りなかった――などというオタク話はここでは自粛しよう。封切りからまだ1週間なので、あまりネタバレにはならぬよう、この映画から浮かび上がってくる「今のアメリカ」について語ってみたい。
1978年に第1作『新たなる希望』に登場したレイア姫は、まるでおとぎ話のような可憐さであった。あの「お団子ヘアー」が懐かしい。ところが今回、反乱軍を率いるレイア・オーガナ将軍は、まるでヒラリー・クリントンのような貫禄である。そりゃそうだ。最初のときのワシは高校2年生で、それが今では50代後半になっている。時は流れたのだ。残酷なほどに!
第3作『ジェダイの帰還』でレイアたちは勝利し、帝国軍は崩壊する。しかし今度は「ファースト・オーダー」なる残党が台頭し、今やレイアはレジスタンスを率いる立場。時に利あらず、反乱軍は撤退を重ねる。そしてこの「ファースト・オーダー」という悪玉、2年前にエピソード7を見た時には思いもよらなかったが、今では「アメリカ・ファースト」を唱えるあの人に重ねてみたくなる。
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