「スターウォーズ」から予測する2018年の米国 吉崎・山崎・ぐっちーさんの有馬記念予想つき

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なんとなれば、映画の中で帝国軍を構成しているのは将校から兵士まで白人男性ばかり。そして反乱軍はと言えば、指導者レイアも主人公レイも女性。そして準主役級のフィンは黒人(もともと帝国軍兵士だったが、疑問を感じて寝返ったという設定)。さらに本作では、アジア系女性のローズという新キャラも登場する。これがとってもいい味を出しているのだが、最初に見たときは片桐はいりさんかと思ったぞ(天童よしみだと言う人もいる)。

これはどう見たって、「帝国軍=白人中心=共和党」と、「反乱軍=多様なアメリカ=民主党」の対立だよね。映画を作っているハリウッドは、ブルーステーツのカリフォルニア州にあるから、当然のことながら後者に肩入れする。トランプ支持者の間では、SWシリーズは不人気だという話を聞くが、それもあながちわからないではない。

この構図を現実のアメリカ政治に当てはめると、帝国軍=共和党はドナルド・トランプ大統領というハチャメチャな最高指導者の下、幹部たちとの軋轢が絶えず、これまで目立つ実績を挙げられないでいた。ところがクリスマスを迎える間際に、とうとう減税法案が成立した。10年間で1.5兆ドルもの規模で、トランプ大統領は「国民へのクリスマスプレゼントだ!」と自画自賛している。「史上最大!」とはいつもながらの誇大広告だが、大きな成果であることは間違いない。

2018年の共和党は福祉政策に切り込む可能性

税制改正の成立は、共和党が現政権下でほとんど初の成功体験を得たことを意味する。かつて「プロは勝てば和ができる」と言い放った野球監督がいたが、これまで内輪揉めが続いていた帝国軍、もといホワイトハウスと議会共和党は、これでようやく足並みが揃ってくるだろう。2018年の共和党は、ずばり福祉改革に切り込んでくると見る。

それというのも、彼らは減税で生じる財政赤字を何かで穴埋めしなければならない。そこで社会保障、メディケア、メディケイド、フードスタンプなどの福祉予算(エンタイトルメントと呼ばれる)全体を切り込んで財源にしてしまえ、というわけだ。しかもこれらは民主党の「聖域」予算なので、11月の中間選挙にもプラスに働くという狙いがある。

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