お二方の予想は、いかがだったか。ところで有馬と言えば、「世相馬券」である。「有馬ではその年を象徴する馬が来る」と言われる。たとえば2017年の漢字は「北」であった。だったら、有馬が引退レースとなるキタサンブラックが、7つ目のG1レースを制して有終の美を飾る、というのは誰もが考える美しいストーリーであろう。
しかし筆者のようなへそ曲がりは、そんな単純な予想は断固拒否したい。夏の宝塚記念で凡走したキタサンブラックは、同じグランプリレースである有馬でも期待を裏切るのではないか。それに不透明性の2017年を締めくくる有馬なんだから、今年はきっと荒れる。ここで思い出すのは2007年、ちょうど10年前の有馬記念だ。9番人気のマツリダゴッホが来て、アナウンサーが「祭りだ、祭りだ!」と絶叫したものである。
マツリダゴッホは直前、天皇賞秋で15着と惨敗し、大方のファンのレーダーサイトから消えていた。ところが重要だったのは中山実績のほうで、9月のオールカマーでは1着だった。そして今年もオールカマー1着で、エリザベス女王杯を9着と大敗し、完全に人気圏外となっている馬が居る。そう、ルージュバックだ。
有馬はルージュバック! 別の「北」が炸裂する!
2017年はひとつ牝馬に賭けてみよう。有馬における鞍上は、前走のムーア騎手から北村宏司騎手に戻る。「今年の漢字は『キタ』サンではなく、『北』村騎手のほうだった!」というアナウンサーの絶叫が今から聞こえるような気がするぞ。
え? マンハッタンカフェ産駒は、有馬ではあまり勝ってないじゃないかって? なんのほかならぬマンハッタンカフェ自身が、2001年の有馬を制しているではないか。そしてその年の有馬を当ててしまったがために、翌年から競馬場通いが止まらなくなったのがかくいう筆者なのである。
ということで、今年は薄い確率に賭けてみる所存である。己の夢を買わずして何の競馬、何の有馬ぞ。読者諸兄も有馬を勝って、どうぞ良いお年をお迎えあれ!
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