おカネをガッチリ儲ける「運用計画」の作り方 「投資のプロ」たちも、実はかなり迷っている

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春は、おカネの運用を考えるとき。実はプロも迷っているのだが、基本を知ることが役に立つ(写真:horiphoto/PIXTA)

ここのところ、相場の動きが激しい。もう春なのかと思うと、いきなり厳冬並みになる昨今の気候変動のようだが、気候の方は、これから春に向かい次には夏に向かうことがはっきりしているので(「絶対」とは言えないのかも知れないが…)大きな不安はない。だが、ここまで相場が不安定だと、投資家の皆さんの中には、ハラハラしている方が少なくないだろう。

投資のプロたちはどんな運用計画を作っているのか?

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だが、株式のようなリスクのある資産に、それなりに高いリターンが期待できる根拠は「リスクを嫌う市場参加者が、リスクを補償するリターンを求めて、資産の価格を形成するため」なのであり、「株価の変動は気持ち悪いし、気が休まらない」という感覚の確かさこそが、株式への投資に高いリターンを期待できる根拠なのだ。投資家の皆さんには、たとえ「カラ元気」であっても、「この不安感こそが、高いリターンの源泉なのだ」と呟いて、開き直ってみて欲しい。

ただし、これは株式のような「投資のリスク」(生産活動に資本を提供する際の資本のリターンの変動リスク)に対して言えることであって、FX(外為証拠金取引)や仮想通貨のようなゼロサムゲーム的リスク(競馬のリスクもそうだが)である「投機のリスク」には当てはまらない話なので注意されたい。

さて、日本のおカネの運用の世界にあって3月は、4月から始まる新年度の運用計画を策定する時期だ。年金基金のような機関投資家をはじめとして、「年度」を単位に決算している資金は、ちょうど今頃に次年度の運用計画を決定する。

読者は、機関投資家の運用計画がどのように作られると考えておられるだろうか。推察するに、長期・中期・短期の「経済見通し」を考えて、これをもとにして、「国内株式」、「外国債券」といった大まかな資産区分の配分計画(「アセット・アロケーション」という)を作って、個々の投資対象(年金基金だと運用委託先)を検討するといったイメージをお持ちではないだろうか。

確かに、プロの運用の世界でも、運用計画を説明する際には、前提となる経済条件から話をすることが一般的だ。読者がそう思われることは不思議ではない。そして、現実に行われている仕事のプロセスも、概ねこれに対応したものであることが多い。

次ページ「経済見通し」を重視しても、運用はうまく行かない?
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