カプコン「モンハン4」快進撃の秘密(下) 激変するゲーム業界。勝ち残り戦略を辻本春弘社長に聞いた

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――モバイル向けソフトにも注力しているようだが。

カプコンとしては、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスやソーシャルゲームに対して2つの考えがある。

ひとつ目は、マルチプラットフォームの一環という考え。「モンスターハンター」や「ドラゴンズドグマ」などはゲーム専用機でも、スマホでも出している。これはたとえば、「モンハン4」をできるだけ多くの人に遊んでもらいたいと思っても、ニンテンドー3DSを買って、ソフトを買って、となると、初期導入費用が高くなる。

「フリーミアムモデル」を実践

値段で遊ぶことを躊躇されるのなら、スマホベースで体験的に遊んでもらおうと。しかも、フリーミアム(基本サービスは無料で、付加機能に課金するビジネスモデル)で展開することで、入り口はぐっと低くなるはず。スマホベースのゲームで体験し、その世界観を理解してもらったら、今度は3DSの「モンハン4」を購入してもらうチャンスに巡りあうかもしれない。つまり、ゲーム専用機を売るための施策といえる。

もう一つは、スマートデバイスをひとつのプラットフォームとみなして、そのプラットフォーム上でカプコンならではのゲームを成功させるというミッション。「CROSS BEATS」や「音レンジャー」、「全国鉄道の旅」など、コンソールには提供していない、オリジナルなコンテンツを展開している。

当社は過去から現在において、さまざまなハードで代表すべきヒット作を作ってきた。ファミコン、スーパーファミコン、PS、PS2、PS3、3DSもそう。そう考えると、僕らとしては、スマホやタブレットでもカプコンが代表するようなソフトを作りたいのだ。どのプラットフォームであろうと、カプコンらしさを出すことができなければ時代に適合できない。

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