カプコン「モンハン4」快進撃の秘密(下) 激変するゲーム業界。勝ち残り戦略を辻本春弘社長に聞いた
――ゲームの未来をどうとらえる。
ゲームビジネスに携わっている人たちは、ゲーム人口は今後とも拡大していくと思っている。
一つにはゲームが外に飛び出したことがある。昔はテレビゲームというものは、家の中でしか遊べなかった。しかし、ゲームボーイが出てきて、ゲームを外に連れ出した。やがて、大人でも外で遊べる端末もできた。
そうこうしているうちに、携帯電話でゲームができるようになり、性能が向上したスマホやタブレットの出現で、ゲーム専用機でなくとも汎用機で遊べるようになった。この流れは全世界的に広がるだろう。
2つめに地域の拡大がある。スマホやタブレットのメーカーは今後、低価格スマホを出していくといっている。ゲーム専用機は、ある程度、経済が発展しないと購入できなかったが、スマホは違う。電話であって、かつパソコンのような存在だ。汎用機ではあるが、アジアの次はアフリカ、というぐあいに普及していくだろう。
3つめとして、システム環境の変化があげられる。PS4もXbox oneも、これから出てくるゲーム専用機の構想はいつでもどこでもゲームができるというもの。すべてにおいてスマートモバイル端末と連動、融合していく。やがては、iOS端末やアンドロイド端末で、ゲーム専用機のコンテンツが楽しめるようになるだろう。そうなれば、わざわざゲームをしに家に帰らなければならないとか、専用ゲーム機を持ち歩かなければならないとか、面倒なことはなくなる。
価格低下によりユーザーは増加
さらに4つめ。スマートデバイスの出現で、ソフト価格が低下傾向にあることもユーザー拡大につながる。いままではパッケージでしか購入できなかったソフトが、ダウンロード型の配信で買うことも可能となっている。さらにそこからフリーミアムという形態もでてきた。あとから追加コンテンツを購入すれば課金されるが、最初は無料ということでゲームを始める障壁が低くなっているのだ。
ハード面、地域面、システム環境、価格面とゲーム人口は拡大する方向に向いている。とはいえ、ユーザーのライフスタイルやゲームに対する嗜好の濃淡など、ユーザー各人の特性がある。また、購入方法においても、さまざまな選択肢が増えてきている。その中で、カプコンは従来からあるコンテンツのIPをマルチで展開しながら、時代時代に合わせ、ユーザーの環境にあったゲームを提供することで、対応していくつもりだ。
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