「iPhone発売初日はヒヤヒヤものだった」 ドコモ鳥塚販売部長に"iPhone後"の販売戦略を聞いた
そこからが大変です。店頭で販売するためには、端末のスペックや使い方などの商品の知識、そして事務処理の知識が必要です。回線の開通作業もこれまでのアンドロイド端末とは異なります。さらにはSPモードメールや各種サービスが10月まで使えないなど、注意事項も多い。覚えなくてはならないことが大量にありました。
とは言っても、商品は販売直前まで入荷しないので、誰も触ることができず、練習もできません。紙の資料のマニュアルを中心に各店で工夫して勉強してもらいました。しかも、販売に向けた店舗の模様替えは発売前日の夜から始まります。専用の什器を並べ、デモ機を用意するなど、本当に大変でした。ただ、私も全国に向けて会議などで「これはお祭りだから盛り上がった者勝ちだ。楽しもう」と言ったんです。大変だけど、ドコモにとっては歴史的瞬間だから、頑張ろうと。
9月13日には5cの予約を開始できましたが、発売当日の20日はどうなってしまうんだろう。並んでくれたユーザーの方に商品を渡すことができず、怒らせてしまうのではないか、などと心配は尽きませんでした。しかし、全体としては大きなトラブルもなく、無事に販売することができたと思います。結局は現場にかなりの力があった。短期間で本当によくできたな、というのが正直な感想です。
店頭での待ち時間は改善していく
――夏商戦のツートップ戦略に続き、今回のiPhone導入で、ショップの来店客はさらに増えていきそうです。どう対策を講じていきますか?
従来の携帯電話で平均30分程度だった接客時間は、スマホでは約1時間に伸びています。端末の使い方が大きく変化し、説明しなくてはならない内容が増えているからです。そのため、販売代理店と協力して接客カウンターや、端末の体験コーナーを増設してきました。店舗の大型化、移転も進めています。
ほかにも、タブレット端末を活用して、複数の機種を比較して説明したり、カウンターに並ばずオプションサービスの変更ができるようにしています。さらに、ドコモショップのサイトに来店予約機能を備えるなど、待ち時間の短縮に取り組んできました。今後、スマホの普及がさらに進めば、店頭の待ち時間は改善していくと思いますが、今年度、来年度とスマホへの乗り換えがピークを迎えると思われるので、ここが正念場です。
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