「不登校になった小学生」に親は何ができるか 小学校2年生の息子が学校に行かない

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この逆の方法をとることで、劇的に改善した例は筆者の経験上、枚挙にいとまがありません。何しろ今の方法がうまくいっていないのですから、そのまま、うまくいかない方法を継続的に実行する理由はないでしょう。だからこそ、逆の方法なのです。

子どもは、始めは気が楽になって、自分のやりたい放題やりますが、やがてそれにも飽き、別の行動をとり始めることがあります。ずっと勉強しないと、だんだん勉強したくなるといった原理です。遊びもずっとやっていると飽きてくるのです。

興味があることを突破口にする

でも、親御さんとしては、勉強をまったくしなくなると心配になると思いますので、そこでもうひとつアドバイスです。

勉強に関しては、現在のお子さんは、勉強はまったくしないが、「昆虫とカニが好きで図鑑などを読んでいる」のですね。それを突破口にしてしまいます。つまり、学校の勉強ではない、昆虫やカニに関するものを集めたり、見に行ったり、飼ってみたりするのです。するともっと学びたいという気持ちが出てきます。

昆虫やカニしかわからない子になってしまったらどうしようと思われるかもしれませんが、そうはなりません。なぜなら、図鑑は活字で書いてあり、自分が知りたいことを知るには字を知らなくてはなりません。内容を正確に知るには読解できなくてはなりません。

昆虫の仕組みを知る課程で理科の知識がつき、生息分布を調べるうちに地理や海外とつながったりします。つまり、学校の教育全般をやることにはなりませんが、その一部には触れていくようになります。そうやっていくうちに、「本当の勉強」ということが実感できるようになっていくのです。すると勉強に対するマイナス的感情が薄れていきます。

このまま無理やりやらせたり、知識を詰め込んだりするより、実はこの方法のほうがはるかに効率的であり、ゴールまでの近道だったりすることもあるのです。

一定期間、集団生活を離れることなど、今さまざまな心配がおありかと思います。でも筆者は、後藤さんのお子さんには、非常に可能性を感じます。21世紀は後藤さんのようなお子さんが世に出る時代です。お子さんの才能や長所をぐんぐん引き出していくということを念頭に置かれて対応してみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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