ひきこもりの少女は人気アニメ作家になった

「ここさけ」「あの花」の作者が自伝を出版

岡田麿里がもっとも信頼するアニメーターである田中将賀が『あの花』『ここさけ』より17点のイラストを本書に提供(イラスト:田中将賀)
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』
ひきこもりだったじんたんと、幼少期のトラウマで声が出なくなった成瀬順。2人を主人公にした2本のアニメは、日本中の心を揺さぶり、舞台となった秩父は全国からファンが訪れるアニメの聖地となった。
そのアニメの脚本を書いた岡田麿里自身が、実は小・中・高と学校に行けなくなっていた。『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』は、岡田が初めてつづった自伝。ひきこもりだった少女はいかにして外の世界に出て人気アニメ作家になったのか? ふりしぼるようにして書いた原稿をとってきた編集者が明かす。

ひきこもりだった少女が、秩父の自分の部屋を出て

『心が叫びたがってるんだ。』(以下、『ここさけ』)というアニメ映画を観た2015年、この才能がほとばしる脚本家はいったい誰なんだ、と本人の岡田麿里さんとコンタクトをとったのがきっかけだった。

最初はまったく別企画でお仕事をということだったのだが、夕食をご一緒した時に、

「実は、『ここさけ』とそのひとつ前の『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下、『あの花』)には私の経験が反映されているんです。私、小学校高学年で学校に行けなくなり、中学、高校もほとんどひきこもっていたんですよ」

という衝撃の告白を私は聞く。

で、それがどうして、アニメのオリジナルヒット作を次々と書き、舞台となった秩父をアニメの聖地にまでしてしまうまでの脚本家になったのか? 書いてみませんか? とお願いしたのだった。

超多忙の岡田さんから原稿をとるのは、最初にチャプターアウトラインを決め、1章ごとに締め切りを決めていただく、という方法しかなかった。

次ページ岡田さん自身の経験が反映されている
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