成長できない人は失敗と成功を振り返らない 「管理職1年目の教科書」に学ぶ仕事術

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最高の学習教材は実際の業務体験であり、なかでも重要なのは成功体験と失敗体験だと著者は言う。

成功体験から正しく学ぶための4ステップを知る

まずは成功体験について。部下の成功を「よくやった!」の一言で済ませてしまうことは珍しくないかもしれないが、それでは貴重な学習の機会を十分に生かしたことにはならない。なぜなら、成功体験から成功要因を抽出して再現性を高めることで、初めて学んだと言えるから。

以前、ラグビーのヤマハ発動機ジュビロの清宮克幸監督の話を聞く機会がありました。(中略)清宮監督は選手の成長を支援するための効果的な方法として、試合で行ったプレーを選手自身の言葉で説明してもらうことをあげています。
試合を撮影したビデオを観ながら、1つ1つのプレーに対して、パスの出し方やタックルの仕方、ステップの踏み方などの身体の動きと、なぜあのときパスを出したのか、味方の陣形をどう判断したのか、他の選択肢は考えたのかなどの、プレーの裏にある判断について選手自身に語らせるのです。
自分が行ったプレーを形作っているものを言葉として抽出することで、良かったプレーは再現できるように、良くなかったプレーは改善できるように、選手自身に整理してもらうことが狙いとのことです。良いプレーを「よくやった」で済ませてしまったのでは何も学んだことにならず、次の試合で再現することができないのです。(179~180ページより)

著者が清宮監督の方法論を引き合いに出したのは、同じことが仕事にも言えるからだ。「成功体験から学ぶ」ことの意味は、振り返りを通して成功要因を抽出し、再現性を持たせるということ。そのために、清宮監督が行っているように自分の行動を言葉で表現させることがとても有効なのである。

さらに、そのことを踏まえたうえで紹介されているのは、「成功体験を振り返ることで再現性を高めるためのステップ」だ。

第1ステップ:経緯を書き出す
その仕事に取り掛かったときから結果が出たときまで、起きたことを時系列に書き出す。詳しい日時などは不要で、主要な出来事が起きた順番に並んでいればよい。
第2ステップ:成功要因を洗い出す
書き出した経緯を見ながら、成功要因だと思うことを書き出す。
[例]お客様からの質問に対して即座に調査して翌日に回答した
先輩のAさんから的確なアドバイスをもらった
第3ステップ:行動とヒモ付ける
成功要因を自分が起こした行動と関連づける。
[例]お客様のニーズが質よりも迅速性であることを直接確認した(という行動)
それほど親しくなかったAさんだが、思い切って相談に行った(という行動)
第4ステップ:言葉でまとめる
成功を再現させるために、自分にとって大切だと思う「行動」は何かを一般化する。
[例]顧客ニーズは直接確認すること
ピンチのときには、面識がなくても一番頼りになる人に思い切って相談すること
(181~182ページより)
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