成長できない人は失敗と成功を振り返らない

「管理職1年目の教科書」に学ぶ仕事術

ポイントは、「なぜ助けてくれなかったのか→自分のこれまでの行動のなにがそのような事態を生んだのか」というように、自分の行動と紐づけて考えること。

その結果、「深刻さを真剣に伝えていなかった」「これまで、自分も助けてあげなかった」「相手の事情に配慮せず、強引にお願いしてしまった」など、たとえ1%でも自分の行動に理由があることがわかったのであれば、そこから改善行動が生まれるわけである。

『管理職1年目の教科書』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

こうして考えていくと、成功体験の振り返りよりも、失敗体験の振り返りのほうが得るものは大きそうに思える。しかし問題は、成功体験の振り返りが気分のいいものであるのに対し、失敗体験の振り返りが、自分の至らなさに向き合う精神的にきつい作業になってしまうということだ。

そこで部下の振り返りを上司としてサポートする場合には、決して責任追及や能力の否定にならないように配慮し、あくまでも「成長の機会」としてとらえるように伝えることが重要だという。

また自分自身に対しても、厳しく振り返れば振り返るほど、自己否定感が湧いてしまうもの。そこで、そのようなときには、信頼できる人に話を聞いてもらいながら行ってみるなど、精神的な負担を軽減するとよいそうだ。

手間がかかると感じられるかもしれないが、裏を返せば、そこまでしても、経験を振り返って学ぶ価値は十分にあるということだ。

「能動学習」は応用力を発揮するための大切な財産

成功や失敗の体験を自分でも正しく振り返り、成功要因や改善要因を行動としての言葉にすることが「能動学習」。それは、人から一方的に言われたことと比較してみても、より深い気づきと学びを手にするため、応用力を発揮するための大切な財産になると著者は記している。

ここではほんの一部をご紹介したにすぎないが、このように具体的でわかりやすいところが本書の魅力。ビジネスパーソンやアスリートなどの事例も豊富に紹介されているので、それらを自身の体験と重ね合わせて考えてみることも可能だ。なにかと気苦労の多い若手管理職は、ここから多くの知見を得ることができるだろう。

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