成長できない人は失敗と成功を振り返らない

「管理職1年目の教科書」に学ぶ仕事術

再現性を持たせるためには、第4ステップにおいて、自分の意思で実践できる「行動」をまとめることが必要。「Aさんのアドバイスが役に立った」だけでは、今後もAさんがアドバイスをしてくれるまで待たなければならないが、「思い切って相談する」という自分の行動であれば、結果はどうであれ次回も再現することが可能になるということである。

まずは自分自身の過去の成功体験について、こうしたステップを振り返ることにより、成功のための再現性のある行動を言葉にしてみる。そのうえで、部下に対しても一方的に教えるのではなく、仕事を振り返りながら本人に成功要因を行動レベルで言語化してもらい、再現力を強化する。これが、能動学習を支援するひとつの形だということだ。

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言うまでもないが、失敗体験も、成功体験に勝るとも劣らぬ貴重な体験。ちなみに失敗体験から学ぶためには、成功体験における学習のステップ同様、体験を振り返って改善に必要な行動を言葉にするステップ(失敗体験から正しく学ぶための4ステップ)が効果的なのだそうだ。

第1ステップ:経緯を書き出す
成功体験の振り返りと同じように、その仕事に取り掛かったときから結果が出たときまで、起きたことを時系列に書き出す。詳しい日時などは不要で、主要な出来事が起きた順番に並んでいればよい。
第2ステップ:失敗要因を洗い出す
書き出した経緯を見ながら、失敗要因だと思うことを箇条書きで書き出す。
[例]お客様からの質問への回答に三日もかけてしまった
本当に相手が望んでいることが何か、自信がないまま対応してしまった
第3ステップ:行動とヒモ付ける
失敗要因を自分が起こした行動と関連づける。もし、第2ステップであげた失敗要因に外部環境や他人の行動がある場合でも、その原因となった自分の行動がないかよく考える。責任をすべて自分以外に持っていくと改善のアクションに結びつかないため、「もし自分に1%でも原因があったとしたら?」という問いに答えてみる。
[例]お客様のニーズが質よりも迅速性であることを確認しなかった(という行動)
Aさんに相談したかったが、忙しそうだったからやめた(という行動)
ユーザーの関心の移り変わりに注意を払わなかった(という行動)
第4ステップ:「もう一度やるとしたら」を言葉でまとめる
同じことをもう一度やるとしたら、どうすればうまくいくと思うかを「行動」を表す言葉でまとめる。
[例]顧客ニーズを直接確認すること(特にスピードなのか完成度なのか)
不安があるときは必ず専門家に相談すること
ユーザーの関心の推移を把握するために、定期的な市場調査を行うこと
(185~186ページより)

失敗から学ぶためには、最終的に「自分の改善行動」に結びつける必要がある。もし「誰も助けてくれなかった」という失敗要因があったとしても、相手が悪いと考えてしまったのでは改善行動は生まれないということだ。

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