効率追求が「生産性」を落とす残念な3大理由

仕事は「長期と短期」2つのリターンがある

長い時間軸でみると、かえって生産性を落とすケースが多数あります(写真:bee32 / iStock)
「生産性の向上」は、企業にとっても、個人にとっても、生き残りをかけた課題になっています。しかし、生産性が盛んにいろいろな場所で言われるようになった最近では、かえって生産性を悪化させる「勘違い生産性アップ」行動も散見されます。
『MBA生産性をあげる100の基本』を上梓した、日本最大のビジネススクール、グロービス経営大学院で教鞭を執る嶋田毅氏が、行きすぎた効率優先主義が生産性を落とす「落とし穴」と、真の生産性アップについて解説します。

仕事のなかで「残業を減らせ」「数字を出せ」「もっと効率をあげろ」と日々言われている人も多いでしょう。しかし、「効率アップ」というのが実はくせもので、工夫をして一見効率はあがったものの、長期的視点でみると、かえって生産性を落としているケースがかなりあります。

なぜそうなってしまうのか。ビジネススクールで教えている立場上、多くのビジネスパーソンを見てきた経験から、とくにハマりやすいケースを見ながら、解説していきます。

成果の出やすい仕事に逃げると、成長可能性も逃す

仕事を効率的にこなすうえで一番手っ取り早い方法は、自分が結果を出しやすい仕事に集中することです。たとえば営業担当者であれば、売りやすい商品を売る、あるいは自分が売りやすい顧客に売るということです。

『MBA生産性をあげる100の基本』は発売3カ月で6万部のベストセラーとなっている(書影をクリックするとアマゾンのページにジャンプします)

しかし、これで結果が出るというのは、厳密に言うならば「短期的には」という枕詞がつきます。

今回はBtoB(企業間取引)のビジネスを想定して話をしますが、通常、売りやすい顧客とは、なじみの担当者がいる既存顧客となるでしょう。よく知っている顧客ですので、時間を取ってもらって話をし、ニーズを把握するのも比較的難しくはありませんし、社内の別の担当者の紹介もお願いできるかもしれません。このように既存顧客に集中的に時間を使うと、受注額などの数字は上がりやすくなります。

短期的に圧倒的な成果を出したいのであれば、それは正しい選択といえるでしょう。

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