夫28歳・妻33歳「発達障害同士」の結婚事情 「100人いたら100パターン」と知ってほしい

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栄養士は向いていないと、短大卒業後は一般企業に就職したもののまったく仕事ができず続かない。転職の回数は数え切れないほどで、10社は経験しているという。「みんなができることができない自分はおかしいのではないか」。そう思っていたとき、たまたまテレビでADHDについて放送しており、自分はこれかもしれないと病院を受診した。

しかし、最初にかかった病院では「ADHDは子どもの病気。あなたは学校も卒業しているし車の運転もできているのだからADHDじゃなくて抑うつ状態なだけ」と言われてしまった。その後、発達障害を専門とする病院でADHDとASDの混合型だと判明した。

「診断された時はすごく落ち込んでしまいました。しかも『障害者手帳取れますよ』と言われ、手帳を取るくらいひどいことなのかと」(アユミさん)

「反対に僕は診断を受けた時、今までなぜ自分がちょっと変わっていると言われていたのか、理由がわかって納得した感じでした。ショックよりは納得した部分が大きかったです」(カズヤさん)

お互い得意なこと/苦手なことを確認するために同棲

障害者雇用で働いていることからもわかるが、2人は障害者手帳を取得済みだ。以前、「手帳を取るには大量の書類と複雑な手続きが必要だと聞いたことがある」と記事に書いたところ、「そんなに複雑ではない」というご意見を読者からいただいた。2人に聞いてみたところ、手帳取得にはそれほどの労力はかからず3カ月ほどで取得できたという。ただ、この3カ月という期間を長いと感じ、転職活動の妨げになるからと取らない人もいた。

カズヤさん(28歳)は21歳のときにADHDだと診断された(筆者撮影)

一方で、大変だったのが障害年金の手続き。初診の病院での初診日での認定が必要であり、かなりの労力を要するので、「おカネを援助してくれる人がいるならば、行政書士などに依頼したほうがいい」とカズヤさん。また、アユミさんは経済的な理由で、国民年金を払っていない時期があったため年金受給の条件に入らなかった。カズヤさんも21歳の頃、収入が少なく国民年金を払う余裕がなかったが、若年者納付猶予の手続きをしていたため年金の条件から外れることはなく、現在はカズヤさんのみ年金を受給している。

【2018年2月11日11時追記】初出時、「障害者年金」とありましたが誤りでしたので上記のように修正しました。

「私たちはお互い真逆の夫婦なんです」とカズヤさんは語る。発達障害にはできることとできないことの差が激しいという特徴があるが、お互い真逆なおかげで、苦手な面を補い合って生活できているという。

「入籍する前、半年間ほど同棲をして、お互い何が得意で何が苦手なのかを見る機会を作りました。そして、お互い得意・不得意をよく知ったうえで、今は暮らしています。妻は業者とのやり取りが苦手なので、家に業者が来たときの対応は僕の担当です。また、結婚式のときも、妻の要望をヒアリングしつつ、僕が舞台の経験から考えた演出などをプランナーに伝えました。妻は、何かを作ることが得意なので、ウエルカムボードやマカロンタワーの飾り、メニュー表や席次表などを作ってくれました。

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