夫28歳・妻33歳「発達障害同士」の結婚事情

「100人いたら100パターン」と知ってほしい

もちろん、2人とも共通して苦手なことはあります。片づけに関しては2人とも苦手ですが、僕は体調を崩しちゃうくらい苦手なんですよ。そこは、程度を見てどちらがやるか決めています」(カズヤさん)

「なるべく余計なものは家に持ち込まない、苦手なりに収納を工夫してみるなどしていますが、それでもまだ家の中はごちゃごちゃしていますね(笑)」(アユミさん)

「『あの大事な書類、どこにいった?』と、2人で家中を捜索することもよくあります」(カズヤさん)

障害者雇用は低賃金 出産後は経済的な問題が

また、現在妊娠8カ月のアユミさん。2人ともADHDの薬を服用中とのことだったので、ここで妊娠中の服用について疑問が湧いた。本来、妊娠中は風邪薬ですら服用を検討しなければならない。

「現在は精神科と産婦人科が提携を取れる大学病院に通っています。妊娠初期に薬をやめていたら体調を崩してしまったこともあり、飲んだほうがいいという医師の判断で現在は服用しています」(アユミさん)

「精神科の先生と産婦人科の先生、それぞれ考えがあります。精神科の先生は、『赤ちゃんが先天性の障害を抱えて生まれてくるリスクがあるから飲ませない』という論理。産婦人科の先生は逆で『赤ちゃんが生まれた後の心配よりも、母体の心身の安定が重要だから飲み続けたほうがいい』という論理でした。

妻の場合、薬を飲まないと仕事にも支障が出てしまうし、そうなると発達障害の人は妊娠できないという考えにもつながってしまいます。最終的には妻が決めることとして、飲み続けるという産婦人科医の判断を選択しました」(カズヤさん)

薬の服用のため、出産後は母乳ではなくミルクで育てることを決めている。そして、出産後の悩みも山積みだ。最初のうちは数時間おきにミルクを与えないといけないのでまとまった睡眠時間を確保するのが難しい。母乳ではなくミルクなので、カズヤさんも積極的に育児に参加できるのがメリットなのだが、カズヤさんは双極性障害のため、夜は睡眠導入剤を飲んでいる。そのため、夜中に赤ちゃんが泣いても起きることが難しい。夜のミルクはどうしてもアユミさんの負担になってしまうことが予想される。

子どもが生まれると仕事との両立も考えねばならない。アユミさんは出産後、時短勤務を希望している。ただ、もっと重大なのが経済的な問題だ。

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