学生は自分のポテンシャルを評価してもらい、企業は成長の場を提供するのが就活だ。ところが「プログラミング未経験でも、研修で一人前に成長できるか。サポート体制はどうなっているか。ワークライフバランスを重視するので残業は希望しないが、残業はあるのか、断ることはできるのか」(300人以下、情報・通信)というような質問をする学生もいる。残業をしないと宣言する学生を採用する企業があるとは思えない。
また、「『御社のキャリアアップはどのようなものでしょうか』とは、わかって聞いているのか。キャリアセンターが言わせているのかわかりませんが、会社は学校ではありません。各部門で必要な教育は時間をとって実施しますし、一歩上に行ってほしい方はさらに違うステップを用意しております。『御社の教育制度について教えてください』なら、わからなくはありませんが」(301~1000人、メーカー)というように、キャリアへの人任せな姿勢に、憤りを覚える採用担当者もいる。大学やキャリアセンターが社会で働くことについて教育する必要があるかもしれない。
不勉強を露呈する質問は避ける
企業は説明会に参加する学生について、自社をある程度研究してくれている”志望予備軍”と位置づけ、説明会で志望度をさらに高めてもらおうと考えている。ところが質問で自らの不勉強を露呈させる学生がいる。
「調べればわかる(Web等に掲載済み)質問や自分本位な質問が多い場合は印象が悪くなる傾向です」(1001人以上、情報・通信)、「事前の予習(企業の下調べ)を全くしていないと感じる質問」(1001人以上、商社・流通)というように、少し調べればわかるような項目を質問することに対して、採用担当者の評価は厳しい。
具体的には「説明会や募集要項等、お渡ししている書面に書いてある内容を質問すること。たとえば、初任給はいくらですか?等」(300人以下、運輸)、「会社の基本情報に対する質問、たとえば、営業所の数、場所」(300人以下、商社・流通)といった質問が該当する。
説明会を開く企業のほとんどは、ホームページを持っており、採用や事業に関する情報を開示している。それを読まずに質問することは自分の首を自ら絞める行為に似ている。
さらには、「産休ありますか?育児休業ありますか?など、 働くことについて基礎的なことは知っていてほしい」(300人以下、サービス)というように、労働に関する基本的な法制度そのものについて、採用担当者に聞くことのないようにしたい。
ちなみに就活でよく使う言葉に、「強みと弱み」がある。便利だが使い方には注意してほしい。安易な質問に対しては、次のように厳しい評価をする採用担当者は多い。
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