なぜこのようになってしまっているのか考え続け、そしてわかったことが、「過去の勉強で自己肯定感が潰されている」ということでした。特に中高生に多いのですが、中学では定期テストがあり、それによって点数化され、成績によって無意識に序列化が行われます。さらに高校受験の段階で、偏差値が登場し、さらに学校の序列化が始まります(筆者は決して偏差値という言葉に対して完全否定の感情は持っていませんが、あくまでも序列化する第一歩であるという事実を言っています)。
すると、この「学力」の序列が、「自分という人間の価値」の序列と同じであるという“錯覚”に陥るようなのです。実は、このような錯覚は、私たち大人もかつて経験していることですから、よくわかるのではないでしょうか。学力は大切な指標ではありますが、社会に出れば、学力とは別の尺度、たとえば人を大切にする、思いやりがあるなどといったことによって、幸せに自分の人生を歩んでいる人、自分のやりたいことで成功する人はたくさんいます。
これらのことを考えると、ある重大なことに気づくのです。それは、次のようなことです。
「親は、子どもの学力を引き上げることに焦点を当てるのではなく、子どもの『自己肯定感』を高めるということに焦点を当てる」
すると、結果として学ぶ力が高まり、学校の成績といった学力につながっていくのです。
子どもの自己肯定感を上げる言葉
大西さんは、子どもに「自信を持たせるためになるべくプラスの声かけ」を心掛けられているようですが、ネガティブな言葉よりは、とてもいいことだと思います。ですが、これまでの筆者の経験では、「プラスの言葉かけ」が子どもにとって、ストレスや過度のプレッシャーになったり、時には嫌味になってしまったりすることが少なくありません。
大西さんはプレッシャーになるような言葉かけはされてはいないと思いますが、現状、プラスの言葉かけをしているにもかかわらず、特に子どもが変わることがないということであれば、筆者がこれまで使ってきた【子どもの自己肯定感を引き上げる10のマジックワード】を使ってみてください。
2.「すごいね〜」
3.「大丈夫!」
4.「さすがだね〜」
5.「知らなかった!」
6.「いいね〜」
7.「助かった!」
8.「ありがとう!」
9.「うれしい!」
10.「〇〇(子どもの名前)らしくないね~」
これとは対照的に、子どもの自己肯定感を引き下げる3つの「呪いの言葉」というものもあります。これを使うと、子どもは「自主的でなくなり」「自己肯定感は下がり」「依存的」になる言葉です。ただ、「このような言葉を言わないようにしてください」と言われると、今度は親がそれを意識しすぎてストレスになるため、今回はひとまず触れません。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら