4位は第一生命保険ホールディングスで、取得者数は1261人(うち女性が1152 人)。取得率も93.3 %と高い。妊娠中および、出産後1年以内の女性社員が体調不良や健康診査などの通院が必要な場合、1カ月につき5日の「マタニティ休暇」を認めている。さらに、小学校就学前までの子どもが負傷・病気の場合、1年度内に12日まで取得可能。男性職員向けに、配偶者のサポートや子育てトレーニングのための育児休業取得を推奨する、「パパトレーニング育児休業」といった取り組みも進めている。
5位はみずほフィナンシャルグループの1237人(女性967人)。上司による休業前・休業中・復職前・復職後面談の実施や、自宅で学習可能なeラーニング講座の提供などを実施。また、都内2施設での事業所内保育所の運営や保育料補助などを行っており、早期の職場復帰を支える制度も充実させている。
男性の取得率は非開示がほとんど
以下、6位三井住友フィナンシャルグループ1183人(女性851人)、7位明治安田生命保険1070人(同941人)、8位日立製作所1016人(未回答でCSR報告書等からの情報、同664人)、9位東京海上ホールディングス994人(同829人)、10位JR西日本888人(同723人)と続く。
この上位10社のうち、銀行・生保といった金融機関は7社。女性従業員が多い職場ということもあるが、中堅の貴重な働き手として「子育てママ」が不可欠な存在になっているようだ。
さて、「人数」だけでなく、「取得率」のランキングが見たいという人もいるかもしれない。ただ現状では、取得率の開示が多数派とは言えない。今回の上位でも、取得率は未回答のケースも多い。特に、男性の取得率を把握している企業はあまりなく、男女計の取得率も多くが非開示だ。一方、女性の場合、回答がある企業は、100%というケースが多い。そのためランキングにすると100%が200社以上並ぶという結果になってしまう。
このように取得率をランキングにしにくいという事情がある。が、そうしたなかでも男性取得率の開示は少しずつ増えているので、あと何年かすると、取得率のランキングをきちんと作成できるようになるかもしれない。
こうしたデータをインプットして、説明会など会社からの話を聞けば、理解がより進みやすくなるだろう。時間があるうちに、できるだけ情報収集しておけば、就職活動もうまく進められる。このように『CSR企業総覧』を便利なツールとして活用してほしい。
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