外資金融の半沢直樹が企む、100分の1返し

若手バンカーが語る、投資銀行業務の悲哀(上)

若い頃の苦労は、カネを出してでも買え

最後に大石君は「人に語れる苦労話が増えた」と彼は書いているが、昔の偉い人はうまいこと言ったもので、若い頃の苦労はカネを出してでも買え、というのは“学ぶものがあり将来につながる”という条件付きで、本当の話である(ちなみに、ここには単なるブラック企業は含まれない)。

自分の適性とか将来ビジョンとか、訳もわかっていない20代前半で歩んだキャリアが、総じて賢く勤勉な人たちに囲まれて、仕事のスピードも速く、完成度も高く、労働時間も恐ろしく長い職場で、社会人としてのスタートダッシュを切ることのキャリア観への影響は大きい。

「そもそも仕事とはこのくらいの量を、このくらいのスピードで、このくらいの長時間やるものだ」という厳しい認識が、新卒で入った会社によって職業観のデフォルト設定がなされるのだ。

おかげさまで、その後出くわす大抵の仕事が、早送りか3倍速でDVDを見た直後に普通のスピードで再生したお笑い番組を見たときと同じような感覚を覚えることがある。

まだ頭脳も柔らかく吸収力の高い20代前半・中盤で、たとえ理不尽なことが多くても、学ぶことの多い職場で働けることは、毎月もらえる多少高めのサラリーや毎年のボーナスよりも、貴重な報酬ということができるだろう。20代は目先の給料よりも“何を学べる職場か”というのを重視すべきなのは、30代になったら大抵、“何をこなせるか”でしか転職ができないからでもある。

今回は字数の都合でここらでお暇させていただくが、次回は皆様お待ちかねの、「半沢直樹もビックリ!こんなに過酷な環境で酷い上司が多いのに、土下座をするのは大和田常務ではなく結局私・・・・」編をお送りさせていただきたい。

※ 続編は10月2日(水)に掲載します

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