それでも、どれも登場人物がビッグすぎてピンとこないでしょうか? ならばこれはどうでしょう。最近私はたまたま市バスで横に座った女性から、楽しくてしようがないという笑顔で語りかけられました。ずっと単純労働に従事し、義父母や夫の介護と看取りで苦労が絶えなかった人です。今は美術館や博物館巡りで楽しくてしようがない毎日だと言います。
私たちの市では70歳になれば市バスや地下鉄、美術館などの施設が無料で使用できるパスを得られます。70歳になった彼女はそれを思う存分利用し、国宝展も紅葉狩りもすべて無料で自由に満喫し、満ち足りた毎日なのだそうです。「こんな日々が自分に訪れるとは夢にも思わなかった。好奇心は膨らむばかりで、今がいちばん幸せ」というわけです。あなたの老後の社会も予測難しく、あれこれ思い煩うよりは、今を一生懸命に生きることですね。
以下は、非常に貧しい生活苦の中で、いわゆる3K仕事の中で四苦八苦していた、30代の外国人男性の話です。知人宅に居候し、肉体労働でその日暮らしが2年ほど続き、荒れていました。それでも彼は「夢があるから生きていける」と言うので、思わず私がぶしつけにも、「その境遇でまだ夢を持てるの?」と聞きましたら、「夢のない人なんて、いるのですか?」と逆に聞かれました。私が日々忙しく、就寝中の夢さえ見るのも忘れていた時代のことです。彼はその後「パンツ1枚でお国に帰って」事業に成功し、多くの雇用を創出しています。
世の中には、十人十色の生きがいや夢があります。ぜひ聡子様に参考になる生き方をご自身でリサーチされ、ご自身にあった生き方を探り続けてください。
失ったものより足りていることを数えよう
聡子様の境遇は、見方を変えればまだまだ勇気を出して頑張れる境遇です。借金漬けの元夫はすんなりと出て行ってくれました。借金の連帯保証人にもなっていません。わずかでも貯えがあります。子どもさんが手のかかる時期も乗り切りました。あなた方を心配してくださるご両親がいて、親孝行できる機会が増えそうです。何よりも全員が健康で、あなたに就労意欲があります。
本連載では、5年近くにわたってさまざまな離婚などの相談を受け付けてきましたが、比較にならないくらい悲惨な境遇で頑張りぬいた方もたくさん知っています。不安でおつらい気持ちももちろんわかりますが、子どもとご両親、そしてなによりご自身のためにも、勇気をもって希望を抱き、とにかく悩むより行動に移していただければと思います。
離婚を知ったご両親が心を痛めるかどうかは、あなた次第です。いかにこの離婚が、あなたらしく生きるためには正解であったかを、あなたが確信をもって伝えて、むしろ安心していただきましょう。元義母にもあなたが気になるのでしたら、離婚しても時々は連絡を差し上げるとか、孫は時々伺わせるなどの約束をして差し上げるのはどうですか。
これまで巡り会えなかった、多くの人とのすばらしい出会いを作るのもあなた次第です。これからの希望あふれる人生を思い描き、力強く歩んで行ってください。
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