中国のジョブズ、北京小米CEO雷軍氏の素顔 広告費ゼロでも700万台販売!スマホの新勝ち組の秘密
「通信キャリアと付き合うには暗黙のルールが多すぎる。それに、通信キャリアとの関係では、小米は華為(ファーウェイ)や中興(ZTC)、聯想(レノボ)を超えられない」。そこで、雷軍氏は別の道を行くことを決意した。オンライン・コミュニティ・マーケティングと小米サイト直販なら、マーケティング経費を節約できるだけでなく、実販売チャネルのコストも不要になる。この点が小米の強みだ。小米とHTCの財務諸表を比較すると、2社の粗利率はそれほど違わないが、小米の営業経費は極めて少ない。純利益はここから生まれてくる。
昨年6月、雷軍氏は小米サイトで電気自動車を売ることを検討していると明かした。外部は冗談だと思ったが、今年7月初め、雷軍氏はシリコンバレーに飛び、電動自動車大手テスラモーターズ創業者のイーロン・マスク氏と会っている。どうやら小米サイトで電気自動車を売るらしい。
小米旋風は海外にも及ぶか?
雷軍氏の構想ははっきりしている。今後はアマゾンモデルを目指し、小米サイトで携帯電話の他にもなんでも揃うようにしていく方針だ。そうであれば、今回スマートテレビを打ち出したのも頷ける。雷軍氏の野心は明らかだ。携帯電話市場だけでは満足できないのだ。
しかし、今のところ小米旋風は中国大陸市場に限られている。海外進出するために、雷軍氏が挑戦しなければならないことは多い。小米の成功には雷軍氏の個人的魅力が欠かせない。小米が海外進出したとしても、中国以外の消費者が雷軍氏のファンになるとは限らない。
RBS証券台湾エリア研究部主管の王万里氏は、「出荷量が一定規模に達した後は、メンテナンスやアフターサービスを追い付かせないといけない。小米の海外進出は、今後のチャネル配置が最大の課題になるだろう」と指摘する。
とはいえ、わずか3年で急成長を遂げた小米は、世界の携帯電話産業の在り方に衝撃を与えた。このスマートフォンPK合戦で、台湾は中国大陸メーカーに負けを喫した。台湾が追いつくにはどうすればいいのか。小米がつくった伝説は、われわれがしっかりと学ぶべき授業となった。
(台湾『今周刊』2013年9月16日号、『今周刊』は『週刊東洋経済』と提携関係にある台湾トップのビジネス誌です)
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