中国のジョブズ、北京小米CEO雷軍氏の素顔 広告費ゼロでも700万台販売!スマホの新勝ち組の秘密
雷軍氏によれば、携帯電話は「マニア」が決める産業だ。マニアに好まれる携帯電話が最終的に最も売れる。そこで雷軍氏は、数十都市に「小米之家」(直営カスタマーサービスセンター)を作り、小米のPRや情報発信、ファンとの交流の場とした。同時に、各地に「米粉」ファンクラブを作り、定期的にイベントを行って「米粉」の結束力を高め、小米マインドを醸成してきた。
携帯電話ソフトの設計では、OSに微博(中国のSNSで、中国版ツイッターと呼ばれる)やQQ(中国でユーザー数最大のインスタントメッセンジャーソフト)等のアプリを組み込むなど、中国大陸ユーザーのニーズを反映し、現地化した。また、ネット上で「小米」フォーラムを開催し、ユーザーの意見を吸収。メールマガジンを発行して話題を作り、顧客をオンライン・コミュニティとして運営している。
マニア・コミュニティで「ファンが作る携帯電話」を目指す
小米内部には、従業員に対するKPI(重要業績評価指標)はない。雷軍氏が求めるのは2つだけ。1つは、小米製品発表時にユーザーが叫び声を上げること。2つ目は、購入後ユーザーが人に勧めることだ。雷軍氏はファンが喜ぶことだけを考える。「グーグルの十戒の第1条のように、すべてはユーザーが中心。これがきちんとできていれば、他はすべてついてくる」と雷軍氏は言う。
小米では、技術者にも販売の第一線で直接消費者に接するようにさせている。ファンの集まりに参加させることもあるという。「自分が奉仕しているのは誰なのか、消費者は単なる数字ではなく、生身の人間だということを技術者にわからせる」(雷軍氏)ためだ。