中国のジョブズ、北京小米CEO雷軍氏の素顔 広告費ゼロでも700万台販売!スマホの新勝ち組の秘密

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雷軍氏は、「小米はサービスを企業文化にする。小米では、販売の第一線にいるスタッフに権限を与えている」と語る。例えば販売スタッフは、苦情や不満を訴えるユーザーに、自分の判断でアクセサリー等をサービスできる権限を持つ。雷軍氏自身、毎日1時間を割いて消費者が微博に残したコメントに回答している。

小米のある幹部は、「雷軍は新世代オンラインコミュニティの特徴をつかんだ。数百万の『米粉』たちを集めれば、このビジネスモデルは成功だ」と評価する。

価格はiPhoneの半分でも営業収入1000億元

雷軍氏が打ち破りたかった2つ目の思い込みは、「安かろう悪かろう」だ。「安くてもいいものはある」が雷軍氏の戦略だ。

第1世代「小米」機の登場から、雷軍氏は「製造はアップルOEMメーカー、でも価格はiPhoneの半分」、つまり「ハイスペック低価格」戦術を取ってきた。「小米」機のサプライチェーンには、クアルコム、サムスン、LG、大立光など、アップルOEMメーカーが並ぶ。第一線のスマートフォンの部品スペックと比較しても、「小米」機の設計は引けを取っていない。「小米」機は、中国ブランドに対する「模造品、パクリ商品」というこれまでのイメージを完全に覆した。

「小米」機の価格はiPhoneの半分、ひいては3分の1しかない。さらに消費者を熱狂させ、「米粉」たちを殺到させたのは、スマートフォンの価格のあり方を完全に変えたことだ。それまでスマートフォンはハイエンド集中で、新機種はややもすれば1台2万台湾ドル(約6万円)もした。後に価格はミドルエンド寄りになったが、そのためには一部のスペックと機能が犠牲になった。

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