サムスンやアップルに大敗、台湾スマホの落日

株価は暴落、「経営の神様の娘」王雪紅氏が迎える試練

世界的な携帯電話メーカーで、日本でも普及しているスマートフォン・HTC(宏達国際電子)会長の王雪紅氏(54)。台湾のチップメーカー威盛電子(VIA)の会長も務める彼女は、台湾で唯一、2つの企業の株価をトップに引き上げ、そして2社ともそれを暴落させた人物だ。いまや、付けられたあだ名は「株主を悲しませる経営者」。権限を与えたにも関わらず人材は流出し、自社株買いで株価防衛したものの純資産額は206億台湾ドル(約600億円)減っている。

台湾を代表するハイテク企業、VIAとHTCを率いる王雪紅会長。米アップルやサムスンに劣勢、株価は暴落。いまやあだ名は「株主を悲しませる経営者」

2000年、VIAの株価は629台湾ドル(約1800円)をつけ、台湾の株式市場で最高値を記録した。06年にはHTCの株価が1220台湾ドル(約3600円)で最高値となり、11年には1300台湾ドル(約3900円)と最高値を更新した。ところが、その後両社ともに株価は下落した。

経営タッチせず、経営陣に一任

王雪紅会長は経営にあまり干渉しなかった。人の長所を評価して任せ、その才能を発揮させた。経営陣を尊重し、存分に手腕を振るわせた。「人を用いるなら疑わず、疑わしき人は用いず」が哲学だ。

しかし、ある従業員は「王会長は部下を信頼したが、周りは王会長の顔色をうかがうばかりだった。取締役会では、王会長が興味を持ちそうな投資案を提出し、ほぼ承認された。取締役会は機能を果たしていなかった」と打ち明ける。人を信頼していたというよりは、自分の人を見る目を過信したのだろう。

次ページHTC、VIAの天国と地獄のワケは・・・
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 子どもを本当に幸せにする「親の力」
  • 最新の週刊東洋経済
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
第2、第3のSMFGを育てたい<br>三井住友FG社長インタビュー

4月に就任した太田純社長に、厳しい環境下での新たな戦略を聞く。中長期的な1つの方向性として、新興国で現地の金融機関を核にした総合金融グループ、つまり第2、第3のSMFGをつくり、一流に育てたいという展望が語られた。