サムスンやアップルに大敗、台湾スマホの落日

株価は暴落、「経営の神様の娘」王雪紅氏が迎える試練

会長にはCEOや社長を解任する権限がある。だが、王会長はこれまでCEOを誰一人として解任していない。これは企業管理の基本原則に反する。HTCが危機にある今、王会長は責任追及を逃れられないだろう。

一方、VIAの株価は、わずか6年足らずで629台湾ドル(約1800円)から4.89台湾ドル(約15円)まで暴落。業績も2006年から7年連続で赤字で、12年には1株当たり損失が8台湾ドル(約24円)に達した。それなのに、CEO(最高経営責任者)である陳文琦氏の座は安泰だ。陳CEOが、王会長の夫だからだ。

株価暴落、業績不振でもCEO解任できず

HTCはスマートフォン市場でのシェアが縮小中だ。昨年の利益は前年の3分の1以下、今年の1株当たり利益(EPS)は昨年の20台湾ドル(約60円)からさらにゼロが1つ減る見込みだ。時価総額もピーク時の1.1兆台湾ドル(約3.3兆円)から約1300億台湾ドル(約3900億円)まで激減した。

HTCは周永明CEOの経営下で人材流出が相次ぎ、市場への反応が遅れた。周CEOはミドル・ローエンド市場参入を渋るなどのミスを犯し、好機を逸した。「周CEOの致命傷は自信過剰とライバル軽視」と評する声もある。3年前、周CEOはサムスンを相手にしなかったが、いやまHTCの販売台数はサムスンの足元にも及ばない。昨年、市場全体が中国メーカーの台頭に注目した時も、周CEOは歯牙にもかけなかった。

VIAとHTCのCEOは、どちらも経営危機を解決できずにいる。王会長は会長の職責を果たすべきだろう。信任と放任ではなく、事実を正視することこそが会社を救う良薬ではないか。

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