好発進でも続くシャープの正念場

注目の第1四半期は堅調だが、喜んでもいられない

ひとまずは好発進といえるだろう。シャープの2013年度第1四半期(13年4~6月)の営業利益は30億円と941億円の赤字だった前年同期から大幅に改善した。

健闘したのは太陽電池だ。昨年の固定価格買い取り制度導入により、今や国内の太陽電池市場は、バブルが指摘されるほどの活況ぶり。「営業人員が足りず、他部門から回した」(同社社員)ほど、住宅用、メガソーラーともに想定以上に売れた。生産設備を堺工場に集約したことも採算改善に寄与した。

主力の液晶事業も改善している。懸案となっていた亀山工場の稼働率向上だが、サムスン電子に続き、LG電子にもテレビ用パネルの供給を開始。結果、昨年12月に約5割だった亀山第2工場の稼働率は、目標とする第2四半期の稼働率9割に近づいている。1ドル=100円近い円安も液晶事業には追い風となった。

シャープにとって今期の好発進には二つの意味がある。

一つは銀行との関係。9月末に予定される2000億円の転換社債の償還資金などで計5100億円の融資契約を結んでおり、その条件の一つは今通期での最終黒字達成である。主力2行からはこの6月から取締役を2名迎えている。第1四半期があまりに悪ければ、事業売却や追加の人員削減など、さらなるリストラを早々に迫られかねない。とりあえず、そうした事態は回避できた。

もう一つは、資本増強の可能性を高められたということ。3月にはサムスン電子、6月には米クアルコムに対して第三者割当増資を実施したものの、6月末時点での自己資本比率は6%と危険水域が続く。すでに事業提携先のLIXILやマキタへも出資を要請。さらに公募増資も検討している。公募増資のハードルは高いが、業績改善を示せたことは好材料にはなる。

次ページ尽きない懸念材料
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