「演奏できる曲は限られていますが、お客様からのリクエストでいちばん多いのは『涙そうそう』、2番は『上を向いて歩こう』です。12月頃になると、『恋人たちのクリスマス』をカラオケで歌ってほしいというリクエストもありますね」
さらに、似顔絵もお願いした。題材は編集者M。iPhoneから流れる音楽に合わせ、固定したマイクに向かいジャジーな歌を口ずさみながら、数十本の色ペンを駆使してスラスラと描いていく。料金は1000円。宵越しの体験型エンターテインメントとしてぜひともお勧めしたい。
結構スゴい人たちが常連だった
ママの小島典子さんは、もともとバスガイドだった。結婚して子どもができた後、やってみたかったスナックに挑戦。それ以来、40年にわたってスナックを営んできた。今では9人の孫がいるという。
「料理好きが高じてランチ営業にも挑戦したの。口コミでたくさんのお客様が来てくれたわ。でも、昼の営業は夜につながらない。それがわかってからは、舟町に店を移したのよ。11年ぐらい前のことね」
以前は娘やアルバイトレディと店に立つこともあった。だが、人にお願いすることが苦手だったため、今では1人で店に立つ。
「店に来るお客様は、警察官や消防士、政治家から、著名人など幅広いお客様が多いわね。でも、うちの店に入ってきたお客様はみな平等。だからいいのかしら。お客様がお客様を連れてきてくれるのよ」
出張ついでに訪れる客も多いという。
「いつまた来るかもしれないと思うと、ボトルを処分できなくて。『だいぶ前にボトルを入れたんだけど、さすがにもうないよね?』と聞かれて、私がひょいとボトルを出すもんだから、お客様からびっくりされるのよ」
ママのホスピタリティが感じられる言葉だ。
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