女優たちを怒らせたマット・デイモンの発言 #MeToo問題に意見したのがいけなかった
俳優のマット・デイモンが、全米を席巻しているセクハラ論争に飛び込んだ。デイモンは、男性全員が「1つのバケツ」の中に一括りにされているが、実際は「行動には幅がある」という見方を示したのだ。12月14日のABCニュースのインタビューでのことだった。
「お尻を触るのと、レイプや子どもへの性的虐待は違うよね?」と、デイモンはABCニュースのピーター・トラバースに言った。「どれも問題だし、根絶しなければならないけれど、全部をひとまとめにすべきではないと思う」。
苛立ち憤慨する女性たち
こうしたコメントが、オンラインで怒りを買った。女優のアリッサ・ミラノをはじめとする多くの女性が、性的な不品行をさまざまに分類して考えることを否定した。
ミラノは15日にツイッターで、「どんな行為でも傷つく」と書いた。そして、「どんな行為も男中心の社会とつながっていて、そこでは女性蔑視が当たり前で、認められていて、歓迎されてさえいる」とつづった。
ほかの意見も続いた。中にはデイモンを擁護する声もあったが、大半はミラノと同様の趣旨だった。苛立ちや怒り、そして憤慨だ。
セクハラについての告白の拡大は、かつては隠されていた問題を国全体でどう話し合っていくべきなのか、課題を突き付けている。
「日常的な暴力、特に性的な暴力についてどう話せばいいか、その方法が十分に確立されていないことが#MeTooムーブメントによってはっきりした(#MeTooムーブメントは、セクハラの被害を受けた女性が、#MeTooのハッシュタグをつけてツイッターでその経験を訴える動き)」
17日に電話インタビューでこう語ったのは、米国マサチューセッツ州のウェルズリー・カレッジで客員教授を務めるレイ・ギルモアだ。女性学とジェンダー学を研究する彼女は「私たちにはそのための言葉がない」と言う。